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ヒサのブログ

頑張る小さな会社、小さなお店
に贈る応援メッセージ

北海道に陸別という町があります。


この町の売りは「日本一の寒さ」です。


氷点下30℃以下という酷寒を体感する「人間耐寒テスト」というイベントに毎年300人以上の人が全国から集まります。


このイベントを初めて30年以上、知名度は全国級です。


参加料が4000円と決して安くないですが、九州や四国など遠方からの参加者も多いとのこと。


1982年に地元商工会青年部が始めたもので、最初は「寒さを嫌って嫁が来なくなる」との反発も多かったようですが、今や、地道な努力が実り、「日本一の寒さ」が全国区になっています。


また、逆に、ここ数年、日本一の暑さを競う町が出てきたりしています。


そこに住んでいる人たちは、日本一とまで言われる寒さや暑さには辟易しているのでしょうが、他の地域からみると、魅力的にうつることがあります。


北国の人は南の国の照りつける太陽や青い海ににあこがれ、南国の人は北の国の白い雪や荒れ狂う冬の海に憧れるように、視点が違えばまさしく「あばたもエクボ」なのです。


ふだん気にかけずに見過ごしているようなこと、自分では弱点だと思っているようなことが、第三者からみるととても魅力的だったりします。

マリリン・モンローのホクロのように・・


彼女のホクロは付けホクロだという噂もあるようですが、いずれにしても、自分の魅力はホクロにあることを知っていました。


顔の目立つ場所にあるホクロを疎ましく思う人は多いようですが、他人は逆に、それをととても素敵だと思うのです。

モンローはそれをわかっていたのです。


もし、あなたが、わが店には「売り」がないと思っているなら、弱点を逆手にとって強みに変えることも一手かもしれません。


それから、お客さんに店のいいところを聞いてみてもいいでしょう。


きっと今まで気付かなかったあなたの店の魅力が発見できるはずです。


それが、まさしく「繁盛の種」なのです。


                       
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なぜ、新しいお客さんがそんなに欲しいのですか?

今、持っているお客さんの数で十分ではないですか?


ある化粧品店の店主が、いつも顔を合わすたびに新しいお客さんをつかむ方法がないか?と聞いてくるので、聞いてみました。


理由は、お客さんに、DMなどで新製品の案内をしても、確実に売れる数が見えてしまうので商売が面白くないらしいのです。


DMの反応が悪く、売れる数があまり見込めないと言うのではなく、その逆で、商品紹介をするとほぼ100%近い確率でお得意様が買いに来てくれるので、売り上げが見えてしまうというのです。


要するに、あまり、苦労しなくても売れてしまうので、商売の醍醐味みたいなもの、刺激がないということなのでしょう。


我々からすると、こんなにありがたいことはないと思うのですが・・・


「新製品が出ましたよ!」とちょっと案内するだけで、買いに来てくれておまけに、売れる数が読めるということは、仕入れるべき数がわかるわけで、売れ残りや、売り逃しもないわけです。


この店主は、これでは、物足りないというのです。


この店主の不満(?)はともかくとして、この店の強みはなんといっても固定客の多さと、その内容の濃さです。


内容の濃さというのは、こちらから何か仕掛ければ、来店してくれるなど必ず何らかのレスポンスを返してくれる、レベルの高いお客さんという言う意味です。


顧客育成について、以前、書きましたが、お客さんが育つと、売り上げが上がるというだけでなく、このように売り上げが読めるというメリットもあります。


売り上げが読めると、その分だけ仕入れればいいので

売れ残りによるキャッシュフローの悪化(お金の無駄遣い)、

売れ残り品の値下げ処分による利益の減少、

品切れによる機会損失、

購入できなかったお客さんお顧客満足低下

などといったデメリットが解消されます。


顧客管理や顧客との絆の強化というのはこのように販売面だけではなく、仕入面においてもとても大きな効果を生み出すものなのです。


販売面が効果とすれば仕入面は効率です。

効果が大きくなり、効率が良くなれば、自ずから利益が最大化されていきます。


このお店も一朝一夕にここまでお客さんを育てられたのではなく、何年にもわたる、店主の日ごろからののお客さんとの小まめなコミュニケーションの工夫と継続の賜物といえるでしょう。


工夫と継続は利益を生み出します。


                 
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以前、「電化のヤマグチ」の顧客管理の活用方法について書きました。


理論が実践に役立つのだという事例をもひとつ。


今、私がお手伝いさせていただいている企業のお話です。

この会社は、本業は福祉事業なのですが、その関連事業としてしょうがいを持つ方を優先で雇用した食堂の経営やお弁当の宅配事業などをしています。


お弁当の宅配は今、大手企業の参入が激しく、価格競争となりつつあります。

この会社も同様に大手企業と真正面からぶつかることになってしまいました。


ここのお弁当の味やおかずの品数は大手に引けをとらないどころか、かなりいいものなのですが、一食100円以上という価格差にどんどんお客さんをとられてしまっているようです。


自信を持って始めた事業なのに、味や中身よりも結局価格には勝てないです・・

と経営者。


でも、やめるわけにはいかない・・・ どうすればいいのか?

起死回生の逆転ホームランなどあり得ないし、気合と根性ではどうしようもありません。


私は、まどろっこしいと言われかもしれないですが、もう一度原点に戻る意味も込めて、オーソドックスなマーケティング分析であるSWOT分析とSTP分析をしましょうと言いました。


自社の活かせる強み、改善課題や問題点は何か、大手との競争を避けることができる市場はどれか、を客観的に見つめなおし、自社が生き残っていくべき領域、あるいは、戦っても確実に勝てる土俵をもう一度見つけるのです。


それが、自社のドメインの再構築ということです。


多くの場合、一度自社のビジネスの形を固めてしまうと、雨が降ろうが、槍が降ろうが、それを貫き通す経営者が多いように思います。


見事、貫き通せればいいのですが、大手企業の低価格攻勢という大きな嵐の中をそう簡単には走り抜けられないのが現状です。


その嵐に耐えうる「傘」がこのSWOT分析やSTP分析という道具です。

その道具を上手く使うことで、激しい嵐を避け、陽の光をみつけることができます。


以前よく言われた、レッドオーシャンからブルーオーシャンへの脱出が可能になるのです。


これらは何も、コンサルタントや専門的な勉強をした人だけが偉そうに振り回す道具ではなく、実際に経営者でも活用できる便利な道具です。


これらに関する書物は世の中にあふれていますし、インターネットでもすぐに検索できます。


明日の売り上げや儲けも大事ですが、3年先、5年先を見据えた経営をめざすなら、いちどマーケティングのオーソドックスなセオリーに興味を持たれることをお勧めします。


さきほどのお弁当宅配の企業も、今、市場での自社の新しいポジションを求め、ブルーオーシャンへ向け、出港したところです。


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