中小企業の経営者の皆さんから新規顧客開拓のご相談をよく受けます。
ついこの間まで、大阪商工会議所エキスパートバンクのお仕事で、ある会社の新規開拓のご支援をしていました。
多くの中小企業の大きな課題のひとつに既存取引先依存からの脱却があげられます。
今までは安定的に取引先(=親会社)から下りてくる仕事をいつものようにこなしていればなんとか食べていけたのが、経済環境の不透明さ、グローバル化の進展など環境変化がめまぐるしく、大手企業といえども明日をも知れないような状況の昨今、その下請けである多くの中小企業にも危機の足音が迫りつつあります。
そのような環境の下、いずれの中小企業も考えることは同じで、なんとか自力で新しい顧客を開拓しなければいけないことに気づき始めています。
しかしながら、これまで自社で新規開拓の営業活動をしたことがない、あるいは社員の営業スキルが伴わないなど、いざ、自力で営業活動をスタートするとなっても掛け声ばかりで、具体的に何をどうすればよいのかわからないというのが実状のようです。
これまでのビジネスにおいて、きっちり顧客管理をしているのならばそれを足がかりに紹介などで新しい顧客へアプローチするということも可能です。
しかし、それもないとなれば友人、知人を頼る、異業種交流会などで名刺交換し顔を売って仕事をもらうというような行動に出ざるを得ません。
そのように、新規顧客の獲得の方法にはいろいろありますが、やはり、避けて通れない、と私が思うのは、いわゆる「飛び込み営業」です。
今時、飛び込みで仕事を取ろう、売り込もうなどというと時代オクレだと思われる方も多いようです。
また、費用対効果を考えるととても割に合わないともおっしゃられます。
まして、うちには営業できる人間がいないのでムリ、と飛び込み営業には多くの方が否定的です。
でも、友人、知人、交流会でどれだけの取引が成立するのでしょうか?
やらないうちからどれだけの費用がかかってどのような効果が出るのかどうしてわかるのでしょうか?
自社に営業力がないならその力をつけるようにするのが経営者の仕事ではないでしょうか?
日本の中小企業のモノづくりの技術は世界に冠たるものがあることは言うまでもありません。
しかし、今、その素晴らしさを正しく伝える力を自社内に育てることが中小企業の喫緊の課題であるような気がします。
新規顧客を開拓したいと思っておられる中小企業には一度「飛び込み営業」を経験されることをお奨めします。
そこには、必ず経営のヒントになる新しい発見があるはずです。
