お正月なので、心温まるお話を1つ。
日経MJ誌のコラム、小阪裕司さんの「招客招福の法則」 より。
ある靴屋さんに若い夫婦が来店されました。
奥さんの靴を探しに来たとのことで、
かわいいのがいいが、結婚したててで靴にお金はまわせないので、予算は1万円まで、という要望でした。
あいにく、その靴屋さんにはそれに該当する靴はなく、そう告げると、奥さんは急に涙ぐみ、今までどんな靴もきもちいものがなく、このままだと足が変形してしまいそうで怖い、と言うのです。
確かに、彼女のサイズは珍しく、なかなか合う靴はなさそうで、シューフィッターでもある店主は、せめてもと足の計測とフィッテイングをしてあげたそうです。
そして、彼女の足に合いそうな2足の靴を試し履きしてもらいました。
すると、彼女の顔色が変わり、こう叫びました。
「こういうのが欲しかったんです!」
そして、結局、合わせて7万円もする2足の靴を購入していったそうです。
さらに驚くことは、
靴を購入する際、彼女はバッグから財布とは別に封筒を取り出したのですが、そこにはこう書かれていたのです。
「もし自分を変えるすてきなものに出会ったら使うお金」
小坂さんの著書やコラムには商売やビジネスに関する心温まるお話が多く、いつも感動させられます。
今年も、この靴店のように、たくさんのお客さまに、
「こういうのが欲しかったんです!」
と言ってもらい、
「もうひとつの財布」
で選ばれるお店が増えると素敵です。
