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ヒサのブログ

頑張る小さな会社、小さなお店
に贈る応援メッセージ

ある化粧品店の店主のお話です。


最近、体調を崩され、しばらく店に出るのを控えていたそうです。


その間、信頼のおける1人の従業員に店の切り盛りをまかせていました。


その従業員は年齢は30歳代と若いのですが、お得意さまも多く、5年以上にわたり、まさしくNo2として店を支えてきた最も信頼できる従業員でした。


なんとか体調が回復した店主は何日かぶりに出勤しました。


そして、あるお客さまから、こんなことを聞きました。


「このお店、閉店時間が早くなったの?」


おかしいと思いながら、さらに違うお客さまにも聞いてみると、同じような言葉が・・


そうです、店主のいない間、店をまかされていた従業員は勝手に店を早く閉めていたのです。


さらに、よく聞いてみると、定休日でもないのに勝手に休業にしたりしていたともわかりました。


また、先入れ先出しが原則の商品であるにもかかわらず、倉庫の前の方に置いてある出しやすい、日付の新しいものから店に並べ、古い日付のものは奥の方に大量に残されたままだったのです。


それより、なにより店主がショックだったのは、信頼していた従業員に裏切られたということです。


でも、最も恐れるべきことは、店主のいない間に、長年培ってきたその店の「信頼」や「ブランド」といった目に見えない「資産」が一瞬にして失われてしまうということです。


再び、その店主は体調を崩されてしまいました。



名将、真田幸村はこう言っています。


「世の中で、家来ほど油断のできぬものはいない」


「人を見たら、泥棒と思え」ということではなく、

部下を信頼した上で、上の者はそれ以上に油断やスキを見せてはならないという意味です。


「管理」という言葉は堅苦しいですが、やはり従業員の管理は避けて通ることができません。


どんな小さな店でも、人を雇う以上、そこには人、組織をマネジメントする力が求められます。


「親しき仲にも礼儀あり」、馴れ合いはいけないということです。



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「一見、よくありそうな料理にバカみたいに手をかけているだろうが、ここの大将は。

あんなに手が込んでいるとはほとんどのヤツが気づかん。

あんなに豚を柔らかく仕上げても、うまい、うまい、

そういうことしか伝わらん。

そういうことを言っているんだ、私は。」


国営放送で朝8時からやっている連続ドラマの中のセリフです。


主人公の父親が営む西洋料理店にやってきた、外国帰りの建築家が、その店に居候する教え子の書生に言った言葉です。


店主である主人公の父親は、料理の研究には非常に熱心で情熱をもって取り組む、言わば「職人」です。

セリフ通り、「バカみたいに」料理に手をかけています。


しかし、残念なことに、その熱心さや情熱は、お客にはあまり理解されていないようです。


マーケティング用語でいうところの「プロダクトアウト」です。


作り手、売り手の視点から販売するという、作れば売れる時代の発想です。


今や、作っても売れない時代に、まだこのような発想の企業があります。


というか、自分では、商品の素晴らしさを必死で伝えているつもりなのですが、伝え方が間違っているため、買い手に届かないのです。


日本人の遺伝子というのでしょうか、阿吽の呼吸とか以心伝心というのがありますが、商売ではこの美徳はあてはまりません。


繁盛するためには、商品の良さを、まず相手に知ってもらう必要があります。


コピーライターの佐々木圭一さんの著書に「伝え方が9割」という本があります。


この本で、”相手の心を揺さぶる伝え方”

を研究してみるのも、繁盛の種探しのひとつかもしれません。



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ある商店街に小さな婦人靴店があります。


女性店主が一人で切り盛りをしています。


あるとき、その店主から、

「フットカウンセリング」というサービスを始めたいが、いくらの価格設定にすればよいか、

という相談を受けました。


フットカウンセリングとは専用の測定器を使い、足の形を調べ、足の形に合う靴を提供したり、持っている靴にソールを入れて靴を足にフィットさせるというサービスです。


女性の足の悩みに応えようというサービスで、最近、よく耳にします。


店主は、早くこのサービスをやっていることを知らしめたいので、できるだけ多くの方に提供したいと2000円程度にしたいということでした。


私は、5000円でもいいのではないかとアドバイスしました。


正直、特に判断基準はありませんでした。


ただ、近隣に同様のサービスをしている店舗がないこと、以前より、店主が女性客から足の悩みの相談をよく受けていたということが、2000円では逆に安すぎると感じたためです。


そして、実績が出ないようなら、適切な価格を求めて都度改訂しながら検証していっても問題はないと判断したためです。


店主は半信半疑で5000円でそのサービスを始めました。


結果、毎月コンスタントに4~5件の利用があり、大きくPRせずとも口コミでどんどん広がっていきました。。


足の測定からカウンセリング、アドバイスには最低でも30分程度かかるため、店主一人では今の件数が限界とのことです。


2000円にすればもっと利用が増えるかもしれませんが、2000円で10件より、5000円で5件のほうが断然効率はいいです。


2000円か、5000円か、基準なし、定価なし、です。


売るほうが安い!と思っても買う側が高い!と思えば売れません。

反対に売るほうがちょっと高すぎるのでは?と思っても買うほうがなんとも思ってなければ売れます。


お客様が思う価値が価格を上回れば売れるのです。


売れないのは、お客様が思う価値が価格を下回っているのです。


ポイントは、主語は「お客様」であるということです。


高いか安いか決めかねているなら、お客様に聞けばいいです。


決して、売る側が勝手に高い、安いと判断しないことです。



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