今の時代は動画サイトが有りますから、
若い方でも古いゲームの映像を御覧になった事が有るのではないでしょうか。
今でこそゲームには長いムービーシーンが挿入されて嫌がられていますけど、
昔はムービーシーンがユーザーから歓迎されていたものです。
ゲーム機のスペックが上がっていくのを最も実感できるのがムービーシーンだったからです。
初期のゲームと言うのは、例えばそのゲームが全5ステージ構成だとしたら、
ステージ1をクリアすると、ムービーなどは一切挟まずに即ステージ2に突入していました。
しかも最終ステージ5をクリアしても、エンディングすら無いままに、
再び即ステージ1からのエンドレス、という無慈悲な仕様が当然でした。
当時のゲームってのは「 そういう物 」だったんですね。
けれどそんな無機質同然なゲーム構成にも、やがて変化が訪れます。
最初の変化は、ステージとステージの合間に、紙芝居が挿入されるようになりました。
ステージ1をクリア後に、登場人物達のやり取りなどを絵と文章で見せるようになったんです。
そしてそれを見た後に、ステージ2に突入する。
ゲームに対する印象が少しずつ変わっていくのを感じました。
でもこの時はまだ、絵はアニメーションでは無くて一切動かなかったし、
人物もしゃべれずに台詞は全て文字のみでした。
程無くしてその絵は一部だけが動くようになりました。
その一部というのは、目と口だけです。
台詞(声は無くて、文字だけ)に合わせて口がパクパクと動き、時々まばたきをする。
人物の全身を動かす事が出来なかった時代です。
これが当時のアニメーションの精一杯だった。
だけど当時はみんな喜んだ。
すげえ! 動いた! って。
後、声の出るゲームも有った事は有ったんですけどね。
でも機械音声丸出しでした。
もちろんそれでもみんな、すげえ! しゃべった! と、喜んでた。
大きな変化が始まったのは、NEC様のTVゲーム機、PCエンジンが出てからだと思います。
これは家庭用ゲーム機としては世界初の光学ディスクを使用するゲーム機で、
絵を動かせるし、声も出せるし、生の音楽も再生できた。
PCエンジンは、現在の全てのTVゲーム機の礎(いしずえ)を築いたゲーム機だと思います。
光学ディスクはロード時間が極端に長いというデメリットも露見しましたけどね。
でもそんな風に愛されて、一歩、一歩と歩んできたゲームのムービーシーンでしたが、
ふと気が付くと、メーカーとユーザーの距離を引き裂く負の要素に陥っていました。
今では古いゲーマーほどムービーシーンを嫌うように感じますけど、
本当は古いゲーマーほど、ゲームに於けるムービーの歴史を知っていたはずなんですよね。
本来なら嫌いなんかじゃなかったはず。
結局、ゲームプレーの邪魔になるほどの挿入頻度と、再生時間の長大化が原因なのだと思う。
( その上、キャラや物語が感情移入の困難な作品が多すぎた。)
ゲームファンはゲームがやりたい訳ですよ。 なのにやらせてもらえない。
メーカーにもそんなユーザーの声が届いたのでしょうか。
見ているだけだったムービーに、プレーヤーが操作介入できる要素を用意してくれました。
それが「 QTE 」だったんです。
しかし・・・。
プレーヤー「 ムービーはやめろ。 QTEもやめろ。」
多様性は大事ですから、別にムービーだらけのゲームが有っても良いとは思う。
ただし、ゲームの中身が疎かにされるようなら話は別ですよね。
だってゲームのジャンルは、ゲームなんですから。
ゲームのジャンルは、ムービーじゃ無い。
おまけの方が豪華なんて、カバヤ食品様のビッグワンガムだけで充分だろ。
やたらに長いムービーを多用するメーカーは、
結局そのムービーシーンをゲームプレー中で表現する実力が無い、という事だと思うのです。
出来ないからムービーで表現してしまえ、という事だと思うのですよ。 嫌な言い方ですけど。
私が長い間ゲームを続けてきて感じる事は、ゲームで一番大事な事は何かというと、
「 ゲームをプレー中は、出来る限り常にプレーヤーの操作を受け付ける事。」です。
折角ここまで発展してきたゲームのムービーシーンをわざわざ捨てる必要は無いですけど、
ムービーの使い方をもう少し工夫してみたらどうかな、とは思うのですよ。
例えばですが、RPGの武器屋なんかに入店すると、
店の中ではプレーヤーは自由に商品を調べたり売ったり買ったり出来るんだけど、
店員や、他の客やパーティーメンバーとかが勝手にアニメーションしまくってくれる、とか。
店員が、トルコアイス店員の嫌がらせパフォーマンスみたいのをしてきたり、
商品が表示されている画面の奥の方で、店長が夫婦喧嘩してたりとか。
普通でしたら、店に入ると、店員の大きな絵が表示されていて、
「 おう いらっしゃい! 好きなの選んでくれよ!」みたいな感じじゃないですか?
それをもっとムービー的に扱う訳です。
ただの店員のアニメーションを、ムービーとして扱ってしまう。
だけど、店内ではプレーヤーの操作を常時受け付ける。
あくまでもただの武器屋で有り、見たい人だけ奥のムービーを見ればいいよ、と。
プレーヤーの邪魔をしないムービーにしてしまう。
ゲーム画面を丸々一画面、全部占領してムービー流すから操作を受け付けないゲームになる。
全画面ムービーだと、「 ムービー中に操作 = QTE 」しかないですもの。
だから画面を分割してそこにムービーを流してしまう。
要は「 ムービー(専用の)シーン 」では無く、「プレー中にちらっと見るムービー 」にする。
むしろこの方が、強制的に見せるよりも自主的に手を止めて見ようとすると思いますしね。
私としてはこういう方向こそが「 ゲームに於けるムービーの在り方 」だと思っています。
あくまでも個人の意見ですけどね。
( ※ 実は「 Wii U 」を使えば長大ムービー対策が出来そうなんですが、その話は今回はパス。 )