ロック歌手の春丘は、歌唱力の方は中々のものだったが、
昔からダンスが苦手で、酷い時には足がもつれて転倒する有様だった。
3月2日、春。
狭い事務所に社長の怒声が響く。
社長「 もういい! こいつには うんざりだ!
ライブもCDデビューも全部中止にしろ!
スケジュールは全て白紙に戻せ!
これ以上は金の無駄だ! おい分かったのか!? 」
振付けの指導中、二度も転倒した春丘に、彼の所属する事務所の社長はカンカンだった。
だがマネージャーの吉松が彼を必死に庇う。
春丘が努力家なのを知っていたからだ。
マネ「 待って下さい社長! こいつは壁を乗り越える男です!
良いトレーナーを付けるのでもう少しだけ待ってやって下さい!
一週間・・・いや二週間・・・いや三週間だけで良い! 社長! 」
春丘『 吉松さん・・・俺なんかの為に・・・! 』
三週間後の3月23日。
社長の見ている眼前で、春丘は特訓の成果を披露した。
社長「 ええい! もういいやめろ!
・・・おい、どういう事だ。 転倒回数が以前よりも増えているじゃないか! 」
マネ「 見てくれましたか!?
こいつやりましたよ! 受身を完璧にマスターしました! 」
※ この記事がもし盛大に滑っても受身を取るから大丈夫。