記憶 | 【井上まさきの日々是BLOG】

【井上まさきの日々是BLOG】

倉敷市在住/心理カウンセラー/講師/屋号は「ハル」でやらせてもらってます。/水島こども食堂ミソラ♪

■過剰な愛

祖母はいつもむせ返るほどの愛で、
僕に接してくれていた。
そのことが僕にどう作用するか?
それはさほど問題ではない。

自分が与えているものは正しい。

その信念で自分を支え、
自身が幼い頃に体験した母の死の欠落を、
なんとかして埋めるためのようだった。

もちろんその欠落に気づくのは、
僕自身が大人になってからだが。


■軋む優しさ

伯父は今でも独身であり、
躁鬱病を患っている。
本人は治ったと言い張るけれど、
その状態で祖母とふたり暮らしだ。

一度、幼い僕にプロレス技をかけた。
あれはかなりの痛みとともに、
僕は思わず泣いてしまったのだが、
その時、伯父は笑っていた。

確かに遊びのつもりなのは分かるが、
いたぶることで悦にひたる表情は、
子供ながらに言葉にならない恐怖を、
肌で感じてしまっていた。

伯父が精神的な病に陥るのは、
それから10年後ほどだった。


■怒る姿

祖父の怒りには誰も手をつけられない。
父が幼い頃には、
日本刀を振り回し、
家族を冬の寒い夜空の下に裸で出し、
怒りに任せて追い回したらしい。

僕自身も祖父が仕事で使う地図を無くし、
それを祖母のせいにして怒り狂う姿が、
今だにまぶたに焼き付いている。

10歳にもならない体で、
祖母をかばったのも、確かあの頃だ。