スウィート・やっピー



ボクの名前はウタ。
今日はのりピーのコンサートのテレビ中継があるんだ。
この日をどれだけ楽しみにしていた事か。
さあ、テレビをつけよう。



お、始まったぞ。



1曲目は『夢冒険』か。
ボクはこの曲が大好きなんだ。



4色のスポットライトがのりピーを照らし出している。
なんて幻想的なんだ。



やっぱり、のりピーって可愛いな。
おや?
なにか様子がおかしいぞ。



のりピーの様子が変だ!



あ、謎の渦にのりピーが吸い込まれていく。



大変だ!
コンサート会場からのりピーが消えちゃったぞ!
助けに行かなきゃ!
そう思った瞬間、ボクの体は光に包まれた。



一体何が起きたんだ?
ここはどこだろう?



どうやらボクまでテレビの中に吸い込まれてしまったらしい。
のりピーはどこにいるんだろう。
早く捜さないと。



ボクは森の中に立っていた。
道はどこにも見当たらない。



足元には石が転がっている。
なんだ、この変な石は。
邪魔な石だな。
えぃっ。
ボクは石を蹴り飛ばした。



「無礼者、いきなり蹴りつけるとは失礼な!」
石がしゃべった!
石は真っ赤になって怒っている。



「ごめんなさい」
ボクは慌てて石に謝った。
石はどうやら許してくれたようだ。
石が言うにはブランケット村のどこかに可愛い女の子が捕らわれているらしい。
のりピーの事か?



ブランケット村とやらに行かなくっちゃ。
ボクは森の道を進んだ。



道が三方向にわかれているぞ。
右の道を進んでみよう。



あ、大きなカニだ。
泡を吹きながらこっちを睨んでいるぞ。
両手に大きなハサミを持っている。
近づくのは危険かもしれない。
元の道に戻ろう。



今度は左の道だ。
なにかおかしな奴がいる。
ボンゴを叩きながら歌っているぞ。
どことなくひょうきんな顔をしているな。
味方になってくれるかもしれないな。



おかしな奴は歌うように自己紹介してくれた。
パヨパヨという名前らしい。
のりピーの事を聞いてみたが知らないそうだ。
その代わり、ブランケット村には愛する人を呼び出すことができる伝説のコンパクトがあるらしい。



ボクはパヨパヨに別れを告げ、ブランケット村を目指した。



ここがブランケット村か?
なんだか人の気配がしない静かな村だな。



大きな木の根元にテントを張ったような家が点々と並んでいる。
手前の家を訪ねてみよう。



やはり誰もいないようだ。
あまり綺麗な家とは言えない。
大きな鏡が一つ置いてある。



この家には不釣り合いなオシャレな鏡だな。
おや?鏡を覗いたのに何も映らないぞ。



こ、声がする!
まさか、この鏡、生きている!?



「ボクたち村の住人は、ダーナに魔法をかけられてしまったんだ」
鏡はそう言った。
元に戻るにはダーナを倒さなくてはいけないらしい。



のりピーの事を聞いてみたら、ダーナに可愛い女の子が誘拐されたって言うじゃないか。
きっと、のりピーだ!



ボクは他の家も訪ねてみた。
この家はなかなか立派だな。
やはり鏡があるぞ。



なんとなく古い感じのする鏡だな。
きっとお年寄りに違いない。



鏡に話しかけると、自分はこの村の長老だと言った。



長老の孫娘はダーナにさらわれて殺されてしまったそうだ。
なんてひどいことを。



まさか、のりピーもさらわれてしまったんじゃ。
ダーナは北の地に不気味な城を建てて暮らしているそうだ。



長老と話した後、ボクはそのほかの家も見て回った。
その中の一軒にはカギがかけられていて、中に入ることができなかった。
ここには何かありそうだな。
長老に聞いてみよう。



カギについて尋ねると、長老は自分の背中を見るように言った。



あ、カギだ。
これで扉が開けられるぞ。



ボクは鍵を開け中に入った。
部屋の中はがらんとしている。
長い間使われていなかったのだろう。



おや?なにか光る物が落ちているぞ。
とても綺麗な飾りのコンパクトだ。



近くの家にあった鏡に話を聞くと、これは愛する人を鏡の中に呼び出せる魔法の鏡だという。
パヨパヨの言っていた鏡だな。



のりピーの事を考えて覗いてみたが、なにも変わらない。
どうやって使うんだろう。



そんなことを考えながら家から出ると、目の前にコウモリの化け物が現れた。
大きなくちばしと車輪のついた足を持っている。
どうも友好的じゃない。



すると化け物は翼を大きくはためかせた。
うわ~~~。
ボクは村の外まで飛ばされてしまった。



ん?誰かの声が聞こえる。
周りには誰もいない。
あ、コンパクトだ!
のりピーが鏡に映ったぞ!
ボクは名乗り、少しだけ話をした。



何とかしてのりピーを救わなくちゃ。
もう一度、村へ行ってみよう。
あ、パヨパヨだ。
今度はヘッドフォンをかけて踊っている。



パヨパヨならダーナのことを知っているかな。
すると、ダーナの手下のホイーリング・バットなら知っていると言った。
さっきのコウモリの化け物か。



そうして、ホイーリング・バットを倒すことのできる笛を譲ってくれた。
これで戦えるぞ。



村に戻ったボクは、ホイーリング・バットの前でパヨ笛を吹いてみた。
するとヤツは苦しみだしたんだ。



やった!
ホイーリング・バットを倒したぞ。



ヘロヘロになったホイーリング・バットは、自分はこの村に住んでいたハトだと言った。
ダーナに姿を変えられて手下にされていたそうだ。



ボクはホイーリング・バットに教えてもらった道を通り、ダーナの屋敷へやってきた。



ボクは屋敷に足を踏み入れた。
シーンと静まり返っている。



廊下にはたくさんの扉が並んでいる。
ボクは一部屋ずつ調べていった。
そして大きな暖炉のある部屋を調べることにした。
ここにも鏡があるぞ。



もしかして、この鏡もブランケット村のように姿を変えられた人間なんじゃ?
話しかけるとやはりそうだった。
鏡はボクに、ダーナと戦って敗れた勇者について語ってくれた。



ずいぶん昔、一人の勇者がダーナに戦いを挑んのだという。



ダーナは恐ろしい魔法を使う。
それを知っていた勇者は、特別な鏡を用意した。
ダーナの魔法を反射させるためだ。



ダーナと相対する勇者。
鏡を掲げ、ダーナが魔法を放つのを待った。



しかし、鏡の存在を見抜いたダーナは、必殺のキル光線を放たず、力を失わせる誘惑光線を放ったんだ。



その場に崩れ落ちる勇者。
鏡を持ち上げる力も残っていなかった。



そして勇者はキル光線によって命を落としたという。


勇者の鏡は4つに割られ、この屋敷に隠されたらしい。



その鏡を探す必要がありそうだ。
ボクは今まで調べてきた部屋を、もう一度詳しく調べることにした。
ベッド裏の台から一枚を見つけた。



ワイン庫の樽の中からもう一枚を。



楽器庫の鏡の裏からさらにもう一枚。



そして食堂の壁にかかった絵の中から最後の一枚を見つけたんだ。



これで勇者の鏡は全部そろったぞ。



ボクは屋敷の一番奥の部屋に乗り込んだ。
部屋の中は薄暗くてよく見えないが、他の部屋とはちょっと雰囲気が違った。



ダーナだ!
ダーナが奥にいるぞ!
恐ろしく不気味な化け物だ。
左手には魔法の光線を操る杖を持っている。



ダーナはボクの持つ勇者の鏡を見つけると、誘惑光線を放ってきた。



ううっ、鏡を持つ手に力が入らない。
だんだん目がぼやけていく。
このままでは、あの勇者の二の舞だ。



その時、コンパクトからのりピーの歌声が聞こえてきた。



この曲は『GUANBARE』だ!
のりピーがボクを応援してくれている!



よし!
のりピーの歌を聞いて力がわいてきたぞ!



ボクが力を失ったと思ったダーナは、キル光線をボクに向け放ってきた。
今だっ!
ボクはすくっと立ち上がり、勇者の鏡を構えた。



反射されたキル光線はダーナに命中。
やった、ダーナを倒したぞ!



ダーナを倒したことで水晶玉が割れた。
やっとのりピーを助けることができたんだ。



でも、水晶玉の中から現れたのは別の女の子だった。



水晶玉の中に捕らわれていたのは、のりピーではなかった。



ボクはその女の子を連れ、ブランケット村に戻った。
鏡にされていた人たちが元に戻っていた。



長老と孫娘のミレイユが喜んでいる。
水晶玉に捕らわれていたのは、連れ去られ殺されたと思っていた孫娘だったんだ。



長老の肩にとまっていたのは、ダーナの魔法でホイーリング・バットにされていたハトだ。



パヨ笛を吹けば、どこにでも助けに駆け付けるよとハトは言ってくれたんだ。



長老は、のりピーをさらったのは大魔王ではないかと言った。
そして大魔王と戦うには、試練の山に住む仙人の力を借りないといけないらしい。



ボクは試練の山に向け、一人歩き出した。
待っててね、のりピー。
すぐに助けに行くからね。




【第2夜】に続く


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