辻井が死んだ。
自殺か他殺かはまだわからない。
しかし、あの写真の三人が死んだことになる。



辻井の部屋の調査が始まる。
生活臭は感じられない。



辻井はスキューバダイビングが趣味だったようだ。



仕事柄、本棚には金融関係の本が並んでいる。
それからダイビングの雑誌もある。



その雑誌には『木戸剛史特集号』と書かれている。
亀井はそれが気になった。



木戸のフォトスタジオを訪れた亀井。
三人が写った写真を見せるも、誰も見覚えがないという。



雑誌を見せると、木戸はスキューバダイビングのライセンスを持っており、水中写真も撮っているそうだ。



高木と吉川、そして辻井もスキューバダイビングをしていたという証言があった。
それに加え、木戸も趣味としている。
これは偶然なのだろうか。



また、辻井は高木と吉川に脅されていた形跡がある。



辻井の白浜での行動がはっきりすれば、捜査の糸口が見えてくるかもしれない。
亀井は和歌山へと向かった。



和歌山県警で聞き込みをすると、辻井は女連れだったということがわかった。
タクシーの運転手が目撃している。



ホテルに着いてから、誰かに呼び出されて外出したそうだ。



タクシーの運転手から、女のモンタージュを作ることになった。



「髪は長め……目は大きな二重……鼻は低めの団子鼻……」
運転手の言葉を基にパーツを組み合わせていく。
そしてモンタージュが完成した。



亀井は高木と吉岡の事件は同一人物の犯行だと考えていた。
そしてその犯人は辻井ではないかと仮定する。
二人からゆすられていたからだ。
そして、その辻井もモンタージュの女に殺されたと考えた。



手がかりはモンタージュだけ。
それを基に辻井の関係先で聞き込みを始める。
行きつけのバーで有力な情報が得られた。
バーでバイトしていた井出千加子ではないかというのだ。
千加子はモデルとしても活動し、雑誌にも載っていた。



その雑誌の写真を撮ったのは木戸剛史だった。
また木戸……



千加子は辻井のことが好きだったらしい。
真剣に結婚も考えていたそうだ。
しかし、辻井は支店長の娘を選んだ。
出世を選んだのだ。



亀井は高木の事件の第一発見者である洋子の下を訪ねた。
モンタージュを見せると、目を見開いた。
しかし、見覚えはないという。
亀井は気になったが、本人がそういうのであればそれ以上追及することはできなかった。



そんな時、十津川から1枚の写真が亀井に手渡された。
別の捜査員がダイビングクラブで入手したものだ。



それには辻井と木戸の姿が写っていた。
木戸と辻井は面識があったのだ。



これまでの捜査で死んだ三人にはつながりがあったことはわかっている。
つまり、三人と木戸にもつながりがあったことがはっきりした。



そして木戸との関係が気になる井出千加子……
白浜で辻井と一緒だったことは確かだ。
十津川は千加子を呼んで事情聴取することにした。



千加子は14日に白浜にある木戸のスタジオへ行っていたのだという。
それはほかのモデルたちも一緒だったらしい。



そして翌日、空港で辻井と出会い、結婚のことで辻井を責めた。
支店長に告げると言って。



すると辻井は、もう一度話し合おうと言い、ホテルまでタクシーで送ってくれたらしい。
そのまま待っていた千加子だったが、結局辻井は戻らなかった。



辻井はなぜ白浜へ行ったのか問うと、木戸からの招待があったのだと千加子は言った。



自分をゆすっていた高木と吉川を殺し、それに気づいた辻井まで殺した……
千加子はそう気色ばんだ。
ゆすられていたのは辻井ではなかったのだ。



その夜、人気のない道路を歩く一人の女性。



女性の後ろから猛スピードで迫る車。



轢かれるっ!
その時、脇から飛び出してきた男が女性を突き飛ばした……
「邦男さんっ!」
女性の声が響き渡った。



夜が明け、十津川は部下たちを集めていた。
車で襲われたのは洋子だったのだ。
彼女を突き飛ばし救ったのは洋子の恋人で、足を骨折し入院中だという。



邦男の病室を訪ねた亀井は事情聴取を始める。
とっさのことでよく覚えてはいないが、運転していたのは男だった気がすると言った。



昨夜、邦男は洋子のアパートを訪ねていた。
そして不在だったため、心配になり迎えに行ったところ、襲われるところに遭遇したそうだ。



聴取を終えて病室から出た時、ネームプレートが亀井の目に留まった。
そこには『木戸邦男』と書かれている。
邦男の苗字も木戸だったのだ。



その日の捜査会議で、辻井の私物から木戸が出したと思われる招待状が発見されたと報告があった。
そこには、白浜の三段壁まで迎えに行くと書かれている。



洋子に来た脅迫状はワープロで書かれていた。
そしてこの招待状も。
この2つが同じワープロで書かれたものなのかを鑑定することになった。



鑑識の鑑定の結果、脅迫状と招待状は同じ型のワープロで書かれたものと判明する。
そうなると、木戸が脅迫状を送ったことになる。
洋子を車で襲ったのも木戸の可能性が高い。



そして、邦男の経歴も明らかになった。
邦男は木戸剛史の腹違いの弟だったのだ。



邦男に確認すると、確かに兄弟と認めたが、仲は良くなかったようだ。
それどころか恨みに思っている節もある。



次は木戸剛史に確認だ。
しかし、木戸は最近はスタジオに姿を見せていないという。



木戸が行方不明だと報告を受けた十津川は、洋子が再び襲われると考えた。
急いでアパートに向かわなければ。



その頃、洋子の部屋では、木戸が洋子に馬乗りになり首を絞めている。
苦しむ洋子。



もがく洋子の手に、落ちていた果物ナイフが当たった。
思わず手に取り……



木戸の脇腹に突き刺した。



駆け付ける警察。
洋子は無事保護された。
状況からみて正当防衛が認められるだろう。



一連の事件の犯人は木戸だったのだ。
しかし関係者が皆死んでしまったため、真相はやぶの中……




【第3夜】へ続く


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