東京~南紀白浜連続殺人事件



7月11日、深夜
若い女性が一人、マンションのベランダで越してきたばかりの荷をほどいていた。
部屋の中からは別の女性たちの声も聞こえる。



同時刻
マンション前の歩道を一人の若い男性がジョギングしていた。



突然の衝撃。
滴る鮮血。



女性はふと目を階下に落とすと、倒れこむ男性を発見した。



警察による現場検証が始まった。
警視庁刑事部捜査一課の十津川警部は、被害者の状況を見ると訝しんだ。



被害者の手の中には水着姿の女性が写った写真があったのだ。
なぜジョギング中にこんなものを持っていたのだろう。



被害者の背中に対して、ほぼ直角に矢が突き刺さっている。
突き刺さった矢の根元から血がにじみ、Tシャツを赤く染めていた。



身元を示すものは何も持っていない。
抵抗の後はなく、死体の状態から見て即死だったことがうかがえる。



その後の調査で被害者の身元が判明した。
被害者は高木満男。
近くのアパートに住んでいた。



死因はボウガンによる射殺。
ボウガンの射程範囲には犯人につながる痕跡はなかった。



矢は背中から心臓を射抜いていた。
水平に斜め後方から撃たれたようだ。



第一発見者は佐久間洋子。
ベランダから死体を発見した。



それから室内にいた山内由美と片桐玲子。
3人とも同じ職場で働いているようだ。



本格的な捜査が始まった。
十津川の部下である亀井と西本は、被害者のアパートを訪ねていた。



そしてサラ金の領収書を発見する。
だいぶ借金があったようだ。



大家に事情徴収した結果、高木の勤務先が判明した。
喜楽という居酒屋だ。



店主が言うには、高木はギャンブル好きで借金だらけだったという。
店にも借金取りが押し掛けるほどだったらしい。



しかし、ある時、借金を返したという。
100万円という大金をだ。
本人は競馬で大穴を当てたと言っていたらしいが。



店主はきっと女が関係しているのではないかと考えているようだ。
なおみという女性が店にも来ていたという。



亀井は第一発見者の洋子の勤め先を訪れた。
高木の持っていた写真を見せると、雑誌のグラビアでよく見るモデルらしい。



その夜、洋子が何者かにつけられるという事案が発生した。
警ら中の警官に助けを求める洋子だったが、その時には不審者の姿はなかった。



次の日の捜査会議、高木が持っていた写真の撮影者が判明していた。
木戸剛史というカメラマンだ。



木戸のスタジオを訪れた北条刑事。
高木の写真を見せるが、知らない顔だと言われる。
しかし、なにか隠しているような気がした。



亀井は再び洋子を訪ねた。
昨夜の事案は気のせいだったかもしれないと言った。



その日の夜、洋子は邦夫という男性に送られ、マンションに帰宅した。
ドアになにか紙が挟まっている。



『昨日見たことを喋ったら殺す』
それにはそう書かれていた。



怖くなった洋子は警察に通報した。
犯人に心当たりはないからだ。
しかし、犯人は洋子を見ていたはずだ。



洋子は明日から3日間、由美と一緒に関西に旅行する計画だという。
なにも起こらなければよいのだが。



翌日の捜査会議で、各々の捜査状況が知らされる。
高木は東都銀行に入った100万円をサラ金に返済したという。



高木の女だったなおみは、新宿のミレニアムという店で働いているらしい。



亀山はなおみを訪ね、高木について聞いた。
それによると3か月前に別れたきり、その後は会っていないという。
借金については新しい女でも見つけて貢がせたのではないかと考えているようだ。



「そういえば、前に高木のことを聞きに来た女がいた」
なおみはそう言った。
詳しいことは覚えていないそうだ。



ミレニアムを後にした亀井は木戸のスタジオへとやって来た。
しかし木戸は撮影旅行に出ていて会うことができなかった。



場所は変わり、和歌山の某ホテル。
電話ボックスで男の刺殺体が発見された。



被害者は吉川誠二という男で、山ノ手ツーリストの社員だ。
住所は東京だったため、和歌山県警から捜査依頼が警視庁に入った。
高木の事件と並行して捜査が行われることになる。



吉川の部屋の捜索が始まった。
部屋の広さに似合わない家具が、所狭しと並んでいる。



机の上にはタバコとライターが。
ライターには『サウンドトラップ』と刻印されている。



本棚の中から1枚の写真が見つかった。
これは!
高木が写っている。



高木と吉川は面識があったのだ。
撮影されたのは4年前の7月14日。
しかし、二人と一緒に写っている真ん中の男は何者なのだろう。



部屋の壁に掛けられたカレンダーには、今回の和歌山行きの日付が書かれていた。



写真を確認してもらうために、ミレニアムのなおみの下を訪ねることに。
吉川のことは知っていたが、もう一人は知らないそうだ。



店に来た吉川は空き巣に入られたとぼやいており、なおみは絶対に見つからない場所を教えたのだという。
その場所とは、カレンダーの裏だ。



もう一度、吉川の部屋へ行き、カレンダーの裏を確認すると、そこには預金通帳が貼られていた。
毎月、多額の金が振り込まれている。
仕事以外にも何かしていたのだろうか。



吉岡の勤務先だった山ノ手ツーリストで同僚に確認するも、副業をしていた様子はなさそうだ。



しかし、その同僚は銀座のバーに連れて行ってもらったことがあると言った。
馴染みの店らしいが、普通のサラリーマンが行けるような店ではなかったという。



そういえば、吉川の部屋にバーの店名らしいライターがあったはずだ。
『サウンドトラップ』という名のバーはすぐに見つかった。
店で高木の写真を見せると、確かに通っていたことが分かった。



他にも三人で写った写真の人物にも見覚えがあるという。
三人目の男の名は辻井だということがわかる。



辻井が二人をこの店に連れてきたそうだ。
しかし、辻井は二人に対してあまり良い顔はしていなかったらしい。
辻井が東都銀行の支店長の娘と結婚すると言った時には、二人は困ったときには昔のよしみで助けてくれるよな、と言っていたそうだ。
その時は特に困ったような顔をしていたという。



場所は変わり、和歌山県の白浜三段壁……



若い男性の死体が発見された。
死因は後頭部の強打。
崖の上からでも飛び降りたのだろうか。
被害者の名は辻井泰之!



写真に写った三人が次々と死んでいく。
この事件につながりはあるのだろうか。


【第2夜】へ続く



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