旅といっても大阪から近いのですが、奈良、京都に行く用があり、
それぞれの場所で気になる建築を見てきました。
まず、先日訪れた奈良県庁。
1965年竣工、建築は故片山光生氏。当時、建設庁近畿地方建設課長だった方で、
県庁だけでなく、周辺の奈良県立美術館や、奈良県文化会館なども手掛けています。
以前から、この県庁の佇まいは気になっていて、今回所用があって来たので、
ちょっと改めてちゃんと見て回って写真を撮ると、
同じころに建てられた丹下健三氏の香川県庁にも通ずる
とてもモダンな建物であることがよくわかりました。
コンクリートの建物ではありますが、伽藍のような回廊型の配置になっていて、
メインとなる正面の主棟の最上階は縁が大きく張り出していたり、
柱や壁面に木目の模様が入っていたりと、どこか和風の趣があります。
内装はリニューアルされていて、エントランスなど、奈良県産材を使った
ベンチなどが置かれていますが、基本的には庁舎らしくシンプルで
機能が優先されたすっきりとした感じです。
入り口のベンチは一般の人も休憩などで利用できます。
さらに、屋上が解放されていて、これがとても穴場。
屋上からは、東大寺や若草山など、周辺を一望できる素晴らしい眺め。
観光客もそこまで多くないのでお勧めです。
奈良の建築で、もう一つ。この奈良県庁の屋上からも見ることができる
奈良近鉄ビル。
こちらは、坂倉準三氏が手がけた建築です。
1970年竣工。
内装も外観も、リニューアルされているので、竣工当時の面影は
少なくなっているものの、ピロティや階段部分、柱など、
その特徴を表す部分が残っています。
あ、これ坂倉準三っぽいな、、とかそういう細かいディティールを
探して喜ぶのは、建築好きあるあるですよね。
奈良も京都もそうですが、神社仏閣だけでなく、
街の中に近代建築や戦後に建てられたモダン建築が残っていて
建物を見て歩くのは結構楽しいです。
観光客が多くなり、新たにホテルや宿泊施設がどんどん建設されているところなので、今後はまた街の風景がガラッと変わっていくかも知れませんね。
いろいろな建物を見ながら、歴史や文化を感じる旅、
まだまだ奈良は面白い建物がたくさんありますので、
近いうちにまた出かけたいと思っています。
余談ですが、、、
奈良県庁の食堂は一般の人でも利用できます。伺った日はちょうどお昼時だったので、日替わり定食(ミンチカツ)を頂きました。650円、お安い!
おいしかったです。