梅雨らしいお天気が続いていますね。

湿度が高く、蒸し暑い日が多くなっています。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、先日スツールのことでお問合せ下さったお客様から

座面についてご質問がありました。

 

クッション入りの座面には、生地や革を張り込みます。

その素材について、やっぱり布より革の方がいいのか

それとも、合皮はどうなのか、、。

いろいろと種類も多いので、確かに悩みますよね。

 

 

オーダー製作の家具の場合は、お使いになる方のご要望を聞きながら

設計していきますので、たくさんの素材の中から、ご用途に合うものを

ある程度こちらでセレクトしてご提案しています。

スツールは座面によって、使い勝手も印象もガラッと変わるので

素材選びは大切です。

 

今回は簡単にそれぞれの特徴をご案内。

大きく分けて3つの素材 「布」 「革」 「合皮」 です。

 

●「布」

一番ポピュラーな素材、いわゆる布地です。

うたたねではインテリアファブリックを製造しているメーカーから

椅子張り専用のものを取り寄せて使用することが多いです。

種類や色数が多く、価格帯も幅が広いので、様々な用途に対応することができます。

服飾布地と異なるところは、生地の耐久性。人の体重が掛かるものなので、

擦れや撚れに強く、破れにくくなっています。

そのため、原料にアクリルやポリエチレン、ポリプロピレンといった

化繊が入っているものが多いです。

中には手触りや質感にこだわったものもあり、ウールやコットンといった天然素材を

使用している生地も販売されています。

 

座面に布地を使用するメリットは、やはり種類が多いこと。

色数も豊富で、織り方によって様々な表情を持つ布地は、インテリアの雰囲気を

作るのに役立ちます。また最近では機能性の高い生地も登場していて

撥水加工、防汚、防炎加工などが施されたものを、

用途に合わせて選ぶことができます。

 

 

何より布は肌ざわりが優しく、見た目にもやわらかい質感になります。

たくさんの布地の中から、お好みの色と質感を、楽しみながら選んで

頂くのがいいかなと思っております。

 

 

デメリットとしては、水汚れが付くとしみになりやすいことや、

長期間の使用で破れやほつれが出た場合、

張替が必要になる事などが考えられます。

 

●革 本革 

うたたねで椅子に使用するのは牛革が多いです。

こちらも、インテリアレザー、車の内装用のレザーを生産しているメーカーから

取寄せています。

革の特徴は何といっても丈夫なことと、使い込んで古くなっても

味わいが損なわれないことだと思います。

 

 

写真はショールームで長く使用している革のスツールです。

色が変わったり、少し傷もついていますが、その質感が

また味わいになっていると思うんですよね。長く使うことで味が出るのは

木も同じですので、素材として木と革は相性がいいのだと思います。

 

 

最近では色数もかなり増えてきましたが、布と比べるとやはり

選べる色は限られます。また、素材の単価が高いので布よりコストが掛かります。

ある程度お手入れをする必要があり、革用のクリームなどを塗ることで

より長く丈夫に使うことができます。手間はかかりますが、使って育てる楽しみが

あるのが、この素材の良いところかなと思います。

 

 

●合成皮革

合成皮革、ビニールレザーとも言いますが、天然の革に近い質感を

再現した素材です。PVC(ポリ塩化ビニル)のものが最も多く、

最近は環境や健康に配慮した化学原料に基づき生産されているものが

増えています。

 

 

偽物の革、というイメージを持っていらっしゃる方が多いかも知れませんが、

今では革の代用品にとどまらず、高い機能性やファッション性が備わった

新しい商品がたくさん販売されていますので、素材としては

かなり使い勝手がよくなっています。

合皮のメリットは、機能性とコストでしょうか。水や汚れに強いので

キッチンなどで使うものや、小さなお子様のいるご家庭でも

安心してお使いいただけます。またリーズナブルな価格の物も多く

革に比べると色数や種類が豊富にあります。

 

 

デメリットとしては、やはり手触り、質感が革には及ばないのかな

(感じ方は個人差があると思いますが、、)というところと、

経年変化による劣化があるので長期間使用すると

張替の必要が出てくるところでしょうか。

 

それぞれの素材にメリット、デメリットがあります。

布といっても、千差万別、織り方や毛足の長さで違いがあったり、

革でも、厚みや表面の型押しの具合で表情が全く異なります。

 

 

たくさんのサンプルから一つを選ぶのは

本当に難しいし、悩ましい。。でもいろいろ見ながら

あーでもない、こーでもないと考えるのは

結構楽しい作業じゃないかと思うんですよね。

少なくとも私は毎回楽しみながらセレクトしています、そして

お客様が最終的にどんな生地を選ばれるのか、

ワクワクするんですよね。

 

生地選びにもし迷われたら、どうぞお気軽にお尋ねください。

ご用途やお好みに合わせてご提案させて頂きます。

サンプルの生地をご用意してお届けしますので必要な方は

お申し付けくださいませ。