少し前の事ですが、江之子島文化芸術創造センターで開催されていた
黒田征太郎さんの展覧会を観に行きました。
黒田征太郎さんといえば、大阪人にとってはなじみ深い画家、
特に私たちの世代には、ある一時代のアイコンとして
アメリカ村の壁画やFM802のロゴなどが青春の一ページ
として刻まれている人も多いのでは無いでしょうか。
実は、名前は知っているけど、実際に作品をじっくり見たことはない、、
なんか知らんけどカラフルでドババっと書かれた絵、
私の中では、そんなアバウトなイメージの作家さんでした。
さかのぼること、さらに数か月前、
本屋さんで、ふと手にした本があります。
京都芸術大学(名称が変わったんですよね)の准教授
斎藤亜矢さんという方が書かれたエッセイ本です。
最初に表紙が目に留まって、何気なく手に取りました。
パラパラめくると興味深い内容で、アートの起源や、手を動かすワークショップの事
科学とアートの領域をまたいだ面白そうな本だな、と思いました。
たまたま出会う、というのは意外と自分にとって大切なもので、
そのままジャケ買いのように購入したこの本は
今自分が考えていることにぐっとはまって、夢中で読みました。
そして、この本の挿絵が黒田征太郎さんのものでした。
エッセイの中にも黒田さんが登場しています。
この本を読んだ直後に今回の展覧会の情報を知ったので、
ああ、きっと何か自分の中で、今こういう絵を必要としていて
黒田さんが発する何かをキャッチしてるんだな、、という自分勝手な
妄想を膨らませつつ 展覧会を観に行ったのでした。
会場に所狭しと置かれたペインティングの数々は圧巻でした。
写真を撮ってもいいということで、いくつか撮影しましたが、
やはり写真ではうまく伝わりませんね~。。。
絵を描くということで、いろいろなことが解放されているような気がします。
それを見ていると、いろんな気持ち、気分、感情が湧いてきます。
たくさんの絵、ドローイング、線や、色、そこに置いているモノ
見に来ている人達、会場の空気や音、におい、いろいろなことを感じとるのに
五感をフルに動かすので、なんだか自分の体温が上がるような感覚になるのですが
黒田さんの展覧会を見た時には、さらに、わーっと沸騰するような
おおきいパワーをもらったような気持ちになりました。
困難な時こそ人は芸術を求める、と あるアーティストが言っていました。
想像して創造することが、生きていく上で大切ないろんな力を生み出します。
絵を観に行くのはそんなパワーをもらいに行く一つの手段。
自分のアンテナを磨いて、また、面白い展覧会を探しに行きたいと思います。