11月になりました。今年もあと2か月。

今年はなんだか、足元がふわふわしたまま、一気に11月になってしまったような、、

そんな感じがします。皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

さてさて、

うたたねでは、いつものペースで、デザイン、製作などを続けておりますが、

先日から、古い家具の修理のお仕事をしています。

 

今年、椅子の展示をさせていただいたデザインクリエイティブセンター神戸KIITOで

公開修理というのを行っているところです。

 

 

KIITOはもともと「生糸検査場」だったところを改装してできた施設です。

神戸から海外へと輸出される生糸の品質管理をするための検査場として

1927年に作られた建物で、2008年まで使用されていました。

KIITOとして生まれ変わる際に、施設内の備品などは、

ほとんどが廃棄されてしまっているのですが、ごく一部残してあるものを

今回修理補修することになり、私たちがお手伝いさせていただくことに。

作業台や壁面パネルなど10点ほどの家具を再生する予定です。

 

これらの家具が作られたのは、昭和初期と思われます。

詳しい資料が残っていない状況なので、はっきりとした製作年はわかっていませんが

とにかく古いことに間違いはない。

修理しながら家具の状態を見てみると、手直ししながら

使い続けてきた痕跡がわかります。

 

 

ぐらつきのひどかった作業台を組みなおすためにばらしました。

楢の無垢材の天板には、スイッチが付いています。

貼ってあるシールには「糸むら」という文字が書かれていたので、

糸むらを検査する台だったのでしょうか。。

 

 

組みなおしてぐらつきがなくなり、また使える状態にしました。

ピカピカの新品のようにすることもできるのですが、使い込んだ感じも味になっていて

素敵なので、雰囲気を損なわない程度にクリーニングをして、ワックスで磨いて完成。

 

 

欠損部分は新たにパーツを作って補修したりしています。

 

 

脚のぐらつきを止めるためにくさびを打っています。

木製の家具は補修することで、また長く使えるので、

そういう意味では、本当に寿命が長いですよね。

 

 

その当時作った職人さんが、どういう考えで製作していたのか、、

想像しながら修理していくのは、すごく面白い作業です。

 

11月中旬まで作業を続けて、年内には補修の作業を完成させるつもりです。

再生された家具はKIITO内のスペースにて展示される予定。

詳細はこれから決まるのですが、内容は随時KIITOのホームページなどで

発表されていくと思いますので、

ご興味があればチェックしてみてくださいね。

公開修理の時は、私たちも現場で作業をしていますので

どうぞお気軽に見に来てください。

 

https://kiito.jp/schedule/event/articles/44759/