今日の東京は最高気温8度と,真冬のような寒さでした
帰りの電車から見えた,日が暮れていく地平線をぼんやり眺めながら,「空気が澄んでいる冬ならではの景色だな」と感じていました
さて,本日は夕方から同職種の勉強会がありました
その流れで,今年度の学会で発表しようと考えているテーマについて話す機会がありました
しかし,思っていたほど周囲の反応は得られず,少し寂しい気持ちを抱えることになりました
帰りの電車で夕暮れの景色を眺めながら,ふと「このまま落ち込んでしまうのではないか」「反芻思考に陥ってしまうのではないか」という感覚がよぎりました
出来事や感情について繰り返し考え続ける思考過程は,心理学では「反芻(rumination)」と呼ばれます
特にネガティブな感情を伴う反復的思考は「RNT(Repetitive Negative Thinking)」と呼ばれ,抑うつや不安の維持要因として研究されている概念です
もちろん,出来事を振り返ること自体が常に問題になるわけではありません
経験を整理し,次の行動を考えるような内省は,むしろ学習や問題解決に役立つこともあります
しかし,同じ内容を頭の中で繰り返し巡らせるだけの思考に入ってしまうと,感情だけが増幅され,状況理解や問題解決にはつながらないことが多いとされています
今日はまさに,自分がそのような思考の循環に入り込んでしまうのではないかという予感がありました
不安を避けたいと思うほど,その不安に意識が引き寄せられてしまう・・・どこか本末転倒のような感覚です
しかし同時に「あの悪循環には入りたくない」という感覚にも気づくことができました
その気づきが,結果として一つの行動選択につながりました
わたしは帰り道を歩きながら,「何を考えれば自分の気分が少し軽くなるだろうか」ということに,意識的に注意を向けてみることにしました
これは,無理にポジティブに考え直すということではありません
ただ「どの思考に注意を向けるか」を少しだけ選び直してみる,という感覚に近いものでした
感情調整の研究では,人がどこに注意を向けるかということ自体が,情動の変化に影響することが知られています
出来事の意味づけを無理に変えるのではなく,まずは注意の向け先を少し調整するだけでも,思考や感情の流れは変わり得ます
また,トラウマ治療の心理療法の一つであるソマティック・エクスペリエンシングでは,身体感覚への注意を通して「今この瞬間の安全感」を回復する訓練が重視されます
身体が安全を感じられる状態になると,結果として思考の柔軟性も取り戻しやすくなると考えられています
これまで,心理職としてそのような訓練を続けてきたおかげで,難しい状況の中でも,まず身体の感覚や周囲の状況に注意を向け直し,「今この瞬間は安全である」と確認することが少しずつできるようになってきました
その土台があるからこそ,今日はさらに一歩進んで,「どの思考に注意を向けるか」という選択を,意識的に試すことができたのかもしれません
「反芻に入りそうだ」という感覚に気づき,注意の向け先を少し変えてみる
今日の帰り道で起きたことは,とても小さな出来事ですが,自分なりの認知コントロールの一つの練習になっていたように思います
* 花が開きました![]()

