臨床心理の世界には「システムズアプローチ」という考え方があります

その中で大切にされているのが

 自分のフレーム(ものの見方)に気づき,いったん脇に置くこと

 

ここ数年,スーパービジョン(SV:専門家が実践を振り返る面接指導)の中で,この練習を続けてきました

 

そして今年に入ってから,バイザー(指導者)から何度も

 「あなたは,どうしたいですか?」

と問いかけられました

 

その問いを受け続けるうちに,わたしはようやく,

  認められたい

  蔑ろにされたくない

  自分の意見をきちんと扱ってほしい

そんな気持ちに気づきました

 

そしてそのさらに奥には,

  「どうせ私はダメ」

  「どうせ私の意見は通らない」

という “どうせフレーム” があったことに気づき唖然としました

 

なぜならわたしは、“どうせフレーム”を通して世界を見ていたことで

 怒りや不満を感じやすくなり,

 「相手が悪い」「環境が悪い」と受け取ってしまうことが多かったからです

そのうち,自分の中の“どうせ”には気づけなくなったのだと思います

 

そして,知らず知らずのうちにこの“どうせフレーム”が,

わたしの中で静かにわたしを煽り,虚勢や不用意な発言につながっていました

...そう気づいたとき,胸の奥で何かがほどけるのを感じました

 

その結果,私は不用意な発言をせずにいられる頻度が増えました

バイザーからは,

 「とても良い循環につながっているのではないですか」

 「これからは、そのフレームを少しずつ

  ポジティブなものへと置き換えていけるといいですね」

とも言われています

 

そして最後に,

「過去の自分の振る舞いを,

 あなた自身がいちばん許せていないのかもしれませんね」

という言葉もいただきました

 

いまのわたしには,まだそれを完全に手放すことはできません

ただ,フレームに気づき、そっと脇に置き,

新しい関わり方を選んでみることなら,少しずつできそうです

 

わたしは今,

  「どうせフレーム」は世界から自分を守るための自己調整」

  「健康的なやり方」は関係性のなかで自分を守りつつ参加する自己調整」

なのだと感じています

今日は、この小さな気づきを、そっと言葉にして残しておこうと思いました