今だに諸説語られる「三億円事件」はその代表格でしょうが、それ以外にも事件の大小を問わず、解明されることの無いまま迷宮入りしてしまう事件というものはよくあります。
そうした未解決事件のなかには、単純に物証が少なく迷宮入りするものもありますが、現場で犯人を取り逃がしたり、確度の高い容疑者に迫っていながら証拠を固められずに逮捕できないケースなどもあります。
その一方で、時の権力者の禁忌に触れる、つまり虎の尾を踏んでしまったあげく未解決にさせられる事件もあります。権力絡みの事件では、真相を知り得る関係者が海外で謎の失踪を遂げた、あるいは滞在先のホテルで変死を遂げた・・・なんてスパイ小説さながらの出来事が実際起きてるのです。当然、私たちは事件の真実を知ることはできないのですが、「このタイミングで、死なないよなあ・・・」なんてゾッとしない思いをしたことは何度もあるでしょう。
『レディー・ジョーカー』では、戦後最大級の未解決事件「グリコ・森永事件」をベースに、政治や部落問題、暴力団など様々なタブーに触れる出来事が次々と起こります。重層的な展開は息苦しく、さらに家族の問題なども相まって、思わず「もうお腹いっぱいです!」と言いたくなってしまいます。
ハードな物語に振り落とされずについていける方、そして長くても筋を覚えていられる方(笑)にはオススメです。
レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)/高村 薫

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)/高村 薫

レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)/高村 薫


