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閉店SALEがそんなに長いわけがない

タイトルとは無関係の極私的読書感想文

毎年この時期になると、単行本から数年遅れで文庫になるIWGPを読んでいる。
そして毎年思うのが、徐々にエピソードに力がなくなっているなあ、ということ。

それぞれの話は短編なので、そもそもそんな凝った内容を期待するのが無理なのかもしれないが、それにしてもオチがわかりやすすぎる。水戸黄門的なストーリーにも程がある気がして仕方ない。

長年のファンなので、やっぱりガッツリ読み応えを期待してしまうゆえ、ついつい厳しい感想になってしまうが、普通に読むには十分面白い。ただこれがシリーズ物でなかったら、ちょっと辛いかな。

非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク〈8〉 (文春文庫)/石田 衣良

最近映画やってましたね。

ボクの中での元祖地味女優(褒め言葉)の代表格である木村多江さんが主演を務めていました。

文庫化された本書の帯も木村さんが腕組みしている映画のシーンでした。

ボクの中の地味なイメージが払拭できなくて、気恥ずかしい心持ちになったりしたのはよい思い出です。

本書は小説ですのでもちろん内容はフィクションですが、事件の設定自体は事実です。事件はWIKIに載っております。

まあなんといいましょうか、事実は小説より奇なり、ってやつですかね。現実の凄さに小説が若干ついていけていない感じがありました。

桐野夏生のグログロした世界を堪能したかったので若干残念。

東京島 (新潮文庫)/桐野 夏生


ある時、テレビで大学生たちが制作した映像の審査をしているヤナイさんを見ました。

正直に言ってなんのことやらよくわからない作品もあり、「おのれさては自己満足だな!」と斬り捨てることもできそうな雰囲気でした(そんな番組も見たことがあります)。

ところがヤナイさんは、それぞれの作品の意図や素敵な部分をさらっと見つけては褒めているのです。

なんとなく悪口を言っても個性として許容されそうなキャラクターですが、それをせずに正面から学生の作品に向かいあう姿に、立派な大人だなあと思ったものです(上目線ですが)。

そのヤナイさんの処世術、それがサラリーマン合気道なのだそうです。

時には流されてみることの大切さを訴えつつ、流れながらもやりたいようにやってしまう(そういう環境をいつのまにか作ってしまう)術を、自身のサラリーマン体験から綴っています。

まあ、色々と矛盾している箇所もあるのですが、それこそが合気道なんだと思う。

あとがきの最後「流されるから遠くに行ける」は一つの真理でしょうし、他力本願じゃないけれど、自分の力なんてたいしたモンじゃない、と肯定的に思えた時に、吹っ切れて道が拓けることもあります。

とかくネガティブになりがちな心境のときに、ふわっと元気づけてくれるような本です。

サラリーマン合気道 (幻冬舎文庫)/箭内 道彦