ある時、テレビで大学生たちが制作した映像の審査をしているヤナイさんを見ました。
正直に言ってなんのことやらよくわからない作品もあり、「おのれさては自己満足だな!」と斬り捨てることもできそうな雰囲気でした(そんな番組も見たことがあります)。
ところがヤナイさんは、それぞれの作品の意図や素敵な部分をさらっと見つけては褒めているのです。
なんとなく悪口を言っても個性として許容されそうなキャラクターですが、それをせずに正面から学生の作品に向かいあう姿に、立派な大人だなあと思ったものです(上目線ですが)。
そのヤナイさんの処世術、それがサラリーマン合気道なのだそうです。
時には流されてみることの大切さを訴えつつ、流れながらもやりたいようにやってしまう(そういう環境をいつのまにか作ってしまう)術を、自身のサラリーマン体験から綴っています。
まあ、色々と矛盾している箇所もあるのですが、それこそが合気道なんだと思う。
あとがきの最後「流されるから遠くに行ける」は一つの真理でしょうし、他力本願じゃないけれど、自分の力なんてたいしたモンじゃない、と肯定的に思えた時に、吹っ切れて道が拓けることもあります。
とかくネガティブになりがちな心境のときに、ふわっと元気づけてくれるような本です。
サラリーマン合気道 (幻冬舎文庫)/箭内 道彦
