想像しただけでもシュールの極みのような光景に違和感がありありなのだけれど、読み進むうちに自分が箱の中から小窓を通して世界を見ているような、あるいは小窓から視線を浴びせられているような妙な心境になってくる。醒めない夢を見ているような気分とでも言おうか。
現実なのか夢なのか、一体誰が書いているのかも揺らいでいく世界は、次第に筋を追うことが難しくなってくる。はっきりいってよくわからない。
ただ、朧げながらも感じられることは、箱男が閉じ込めようとしていたのが実は自分ではなく世界ではなかったのかということ。
箱の内側が実は外側で、箱の外の世界は、実は箱の中だった・・・クラクラしてきますね。
箱男 (新潮文庫)/安部 公房
