「在日」をキーワードに据えた青春小説、と言っていいのだろうか。本作の場合、「在日」は作品の味付けではなくて、作品の根幹にあって、いわばカレーのルーみたいなものです。ないとカレーじゃないじゃん、みたいな。
ちょっと全体的に古臭い感じがしなくもないけど、なんかとても懐かしい気持ちにさせてくれる小説。懐かしいというのは、自分の十代が懐かしい、という感じの懐かしさで、古臭さが懐かしい訳ではない。
ところで、小説を読むには想像力が必要で、その呼び水になるのは当然小説の内容(つまりは文章)ってことになるかと思います。さっき古臭い感じ、と書いたのはなぜかというと、この「GO」を読んでいる間中、どう読んでも頭に浮かんでくるヒロイン像が80年代っぽい感じにしかならなかったからです。ポニーテールで色の落ちたデニムのホットパンツでロールアップしたソックスにキャンバスのスニーカーなどという、若かりし頃の中山美穂あたりが着てそうな格好のヒロインです。
なぜなんでしょう。
そのあたりの時代を意識した作品、ってことならボクの想像力(というよりは作者の筆力)はとっても凄い!のですが、どうなのだろう。
