それから


お酒も入って 楽しい会になった。




カナは 結構酔っ払ってる。



石井さんの隣から


いつのまにか


私の隣に移動してて…





ニヤニヤで


ずっと話し続けてる。




そういえば…


最近こんな顔、見てなかったかも。




自分のことで いっぱいいっぱいだったもんなぁ…



カナも


きっと色々言いたかっただろうに…




私のこと、黙って見てくれてたのかも。





「んー…ちょっとだけ。。ちょっとだけ休憩〜」



そう言って 部屋の壁に保たれる。




石井さんは



嫌がるカナに


水を 一口飲ませた後は


そのままにさせてあげてる。





「カナって…面倒見すごくいいんですよ」


「………」


「結構仕切ってくれるタイプだし」


「………」


「でも 心許すと…こうやって崩れる」


「……最初から、よく怒っていたように思います」


「ふふ…//////最初から ウマがあってた気がします。今思うと ですけど」




そう言うと 


石井さんは柔らかく笑った。





「椎名さんが元気そうで良かったです」


「……挨拶も出来なくてすみません」


「いえ…、そんな立場じゃありませんし」


「こんな形は、想像もしてなかったですけど(笑)また会えて嬉しいです」


「…………」


「……」


「大野は……」


「…………」


「あれから仕事だけです」


「…………」


「本当に……毎日…」


「…………」


「あの自由な人が 趣味も仕事にして……働いてます」


「…………」


「知りたくないかもしれませんが……大野は椎名さんのこと 軽い気持ちで離したわけでは…無いと思います。それだけは…横で大野を見ている人間として 伝えておきたかった」


「…………はい」


「すみません……」


「…………」


「…………」


「石井さん」


「……はい」


「知りたくない…わけじゃないです」


「………」


「でも 知りたいわけでもない」


「……椎名さ」


「好きなんです。一生忘れられないくらい…まだ全然好きなんですよ…」




 



こんなに素直な気持ちを



言ってしまうのは



石井さんだから。




智くんのこと…


ちゃんと、知ってる人だから。




「幸せでいて欲しいんです…

仕事してても 遊んでても……好きな人が出来ても…

幸せでいてくれたら 私の苦しいのなんか……

全部なんとかしますから…


幸せで…  いて欲しい…」







お願いです…


石井さん、メンバーの皆さん、スタッフさん、お友達さん



誰でもいい



近くにいる 誰か…


智くんを 笑わせていて。




お願いです




だって


私はもう…


智くんのために なんにも、できない