朝のテレビから、

ヒステリックな女性の罵詈雑言が聞こえてきた。

 

「このハゲ~!」

「うん、死ねば? 生きてる価値ないだろ、もうお前とか」

 

女性議員が自分の男性秘書に対して発している。

更に、殴る蹴る、ハンガーで叩くといった暴行が

日常的に行われていたという。

 

まるで茶番。

 

芝居を観るより芝居がかった

まるで吉本新喜劇のような現実に、

思わず笑ってしまう。

 

ストレスをどこに持っていくかは、

そのひとの質そのもの。

 

人間の質の高くない私は、

この議員と同じように

罵詈雑言を家族に向けているかもしれない・・

と、ちと反省した朝だった。

 

あまりに爽やかではない朝だったので、

癒しと優しさと懐かしさを感じた映画の紹介が

したくなって、今回は、

 

 

2015年の作品 海街diary

 

是枝裕和監督が、湘南を舞台に描く4人姉妹の物語。

鎌倉に暮らす長女・幸(綾瀬はるか)

次女・佳乃(長澤まさみ)

三女・千佳(夏帆)

の3姉妹のもとに、15年前に家を出ていった父の訃報が届く。

父の葬儀のために山形へ赴いた3人は、

異母妹となる14歳の少女すず(広瀬すず)と対面する。

身寄りのなくなってしまったすず。葬儀の場でも毅然と立ち振る舞う

すずの健気な姿をみた長女幸は、すずに鎌倉で一緒に暮らそうと言う。

その申し出を受け入れたすずは、四女として、鎌倉での生活を始める。

 

是枝監督は日常を描かせたら、右に出るものはいない監督。

私は是枝監督の作品を観るたびに、

幼少期・思春期・成年期・中年期・老年期と人間が辿る

時間の経過で感じることは全く違うと教えられる。

 

この作品のなかで、

母親役として大竹しのぶが、大叔母役として樹木希林が登場するのだが、

この二人はやはり憎らしいほどうまい。

女性として美しい時期真っ只中の4姉妹に、

いい意味で毒と灰汁を添えている。

 

この映画、縁側が登場するシーンが多いのだが、

日本家屋の縁側という、ノスタルジックな場所が

とても優しくて、温かい。

 

ここで女同士で梅酒を漬けたり、

花火をしたり、心地良い時間が流れている。

 

祖母の漬けた梅酒で母と娘が距離を縮めていくシーン。

この場面は親子の縁(えにし)を、思わず、うまい!と

自然にわからせてくれる素敵な場面と

なっている。

 

 

こんな美しい姉妹が浴衣を着て、

鎌倉で花火をしていたら、

私が男子だったら、絶対にお風呂を覗くな。

 

さて、夏はもうすぐそこまで来ている。

条例違反にならないような、水着でも買うかな・・。