子供の精神科受診について、驚く様な記事を読んだので、自死遺族であり、障害児者の母であり、仕事でも携わる立場として少し訂正したいと思います。
青字は私が驚いた記事の文面です。

>精神科に行ったら必ず薬が処方される、、?
 
されない精神科、漢方薬で様子を見るドクターも今は多いです。初診で大して話も聞かずに何種類も処方するDr.は選ばない事が重要だと思います。

>脳が成長していない子供に麻薬成分の含まれる精神薬を飲ませたら、、?

どのお薬になんと言う麻薬成分が入っているのでしょうか?この文章だと処方されるもの全てと受け取られる可能性があります。また、精神薬と一括りにされていますが、その中には命に関わる他の病気にどうしても必要な薬などもありますので、一括りにして発信されるのは危険かと思います。

>精神薬を飲み続けた子供は 完全な精神障がい者の道を行く

精神障害の原因は複雑で多様です。その中の症状のいくつかに服薬の副作用が入っているとはいえ、副作用や薬物依存を起こさないための医療研究も進んでいます。お薬を一度も飲まずに拒否し続け、精神疾患になられた方もたくさんいます。むしろ多いです。うつ病や精神疾患になっても適切な服薬、生活指導、環境整備で無理なく就労できている方もたくさん存じ上げています。だいたい「完全な精神障がい者の道」って、既にかなりの差別用語だと思います。
また、適切な服薬により生活指導が入る様になり、精神状態も安定し、その後の断薬や減薬調整は様々ですが、上手に生活を立て直したお子さんもたくさんいます。
 
>衝動的に希死念慮が高まるのは 精神薬の副作用

自死企画や衝動性などの副作用として掲載されているものもあるため、心あるドクターは、目を離さない様に、などの説明を必ずします。確かに深い抑鬱状態で動くのも制限がある時に、抗うつ剤で気分が上がった時に、希死念慮が念慮だけでなく実行するエネルギーを持ってしまうからだと言われています。インフルエンザ治療薬のいくつかについても衝動性について説明がされます。服薬するかしないかは家族の判断ですが、インフルエンザの場合、高熱による脳炎を避けることが主な理由であり、免疫力の高い若者には現在慎重に投与されています。精神科の処方薬についても、その時の家庭の状況、環境などを踏まえて、メリット、デメリットを検討しながら進めるものだと思います。

>誰かを何かを 殺したいと思う気持ちが衝動的に出るのも 精神薬の副作用

この文章は断定されていますが、根拠があるのでしょうか。精神疾患を抱えグループホームに住む次女が、こんな文章に出会いません様にと願うばかりです。
あまりにも乱暴で、差別的だと思います。


>飛び降りたいと思う衝動性も高まる

ちなみにうちの三女は一切服薬したことのない中で飛び降りました。
 

 >教育委員会の職員や 自死の対策をしている行政の職員は自分の子どもには精神薬は飲ませない

服薬させている関係者もおります。
根拠が全くわかりません。
 
>精神科医も自分の子どもには精神薬は飲ませない
 
これも、飲ませている方を存じあげております。

>障がいがあっても 飲ませていない医師も多い、、
 
障害があるからといって全て服薬が必要なわけではありません。障害=服薬ではありません。これまた障害お持ちの方に失礼かと。。

>副作用の怖さを
ちゃんと わかっていて、、

薬は全て副作用がきちんと開示されています。素人でも読めばわかります。むしろちゃんと読んでください。別にどの医者も隠したりしていません。



様々な事例や精神科系クリニックの乱立などから、精神科に対して疑心暗鬼になるのはわかりますが、内科でも整形外科でもきちんと選ばなければ、誤診や、過剰投薬の問題があります。医者は占い師でも神様でもなく、今までの臨床経験、研究から治療を考え、患者の様子を見ながら投薬していくしかないのです。

その中でも、患者に耳と心を傾けて、最低限の投薬と生活指導、他の療法との組み合わせで、スムーズな社会復帰を支援してくれるドクターも沢山います。

我が家はたくさん救われてきたし、今も助けられているし、今後もお付き合いしていくと思います。