銀の月 蒼く 澄み渡る 冷たい空の この 凛とした空気を 事もなげに 切り裂くナイフの切っ先のように 銀の月が 私を見下ろす 日常の名残りをかすかに浮かべ 闇に向かう空色の濃紺の調べ 私は今、どこにいるのだろう… 手放した温もりさえ思い出せず 朧げな輪郭をそっと撫ぜ 淋しさよりも空虚に寄り添い 眠るしかないのなら いっそこのまま 銀の月の切っ先に 貫かれてしまおうか…