(うきしずむ なみだのなみの うつおぶね こがれてたえぬ いにしえを しのびはつべきひまぞなき)
カルタらしい調子の詞章を選ぶことができました。

彼岸の中日のきょうは、死んだ人のことを思い出し、ああすればよかった、こうしてあげればと後悔の念にくれています。

彼岸にわたる舟は一方通行です。ちょっと詫びを入れに行く訳にもいかず、せめて成仏できなかった「鵺」の悲しみにふれて過ごしましょう。

曲の最後の詞章。
朽ちながら空舟(うつおぶね)の、月日も見えず暗きより、暗き道にぞ入りにける、遥かに照らせ山の端の、遥かに照らせ、山の端の月とともに、海月に入りにけり、海月とともに入りにけり。

カルタの詞章の現代語訳は、
浮き沈みするわが身を思って流す涙、その涙の波の上に、空舟に乗せられて漂い、思い焦がれる気持ちを抑えかねる昔であるが、その昔のことを十分に偲ぶことのできるゆとりをもたないのだ。

「空舟」とは大木をくりぬいて中をうつろに造った舟だそうで、中に誰か人を閉じ込めて、海の底へ沈めるのに使ったとか。

こわいですねえ。