どれだか忘れたけどGIGAZINEの記事を読んでいたら、知らなかった概念を見付けた。「さらなる言論」(対抗言論)というもの。ウィキペディア日本語版から引用すると:

対抗言論(たいこうげんろん)とは、 言論などの表現活動について安易に侮辱や名誉毀損による民事責任、刑事責任が成立するとすれば、表現の自由の保障が阻害され、自由な表現活動に対する萎縮効果が生じるという問題意識を背景として、両者の調和を図る観点から認めるべきとされる法理である。

とのこと。これは使えそう。

 

匿名掲示板などでは良く「訴えてやる」とか軽々しく言う煽りを見掛ける。それで議論、というか対話が萎縮するのは見ていて悲しい。互いに表現の自由を謳歌しているはずの論者同士であったはずなのに、掲示板の外部の法的圧力を召喚するのは卑怯だ。議論から逃げている。

 

「さらなる言論」の概念には、これを解消する可能性がある。この概念の下では、相手に侮辱されても、まず自分が言論により名誉回復を試みることが要求されている。それで名誉回復すれば良し、駄目だったら、それから訴えてみてね、ということ。最初から法的手段を取ることには抑制的に働く。

 

でも日本では最高裁で「さらなる言論」が認められたことは、まだ無いんだって。だから当事者になってしまったときは、この概念で対抗しようとしても最終的には敗けるだろうから、注意して使わないといけない。