〔設問1〕
(1)条文上の根拠 規則208条
(2)①まず、予定事実第1の3に記載の「被告人とBが強盗の共謀を遂げた」との事実について、立証するよう釈明を求める。被告人の説明と異なっている、重要な争点だからである。
②同じく3に記載の「被告人はバットを認識していた」点について、立証するよう釈明を求める。被告人の説明と異なり、強盗の認定において重要な事実だからである。
③第2の1に記載の「バットで1回殴打した」ことについて、立証するよう釈明を求める。Bの説明と食い違っており、重要な争点だからである。
〔設問2〕
類型証拠については、316条の15第1項各号に規定されており、これについて、弁護人としては同条第2項の事項を明らかにする必要があるので、これについて検討する。
(1)まず、証拠物(同条1項1号)として、Vのかばんを開示請求する。Vは、バットで殴られ、かばんを引っ張られ転倒したと説明しているが、その具体情況を確認するため必要だからである。
(2)次に、供述証拠(6号)として、Vの警察官面前調書(321条1項3号)があれば、これを開示請求する。Vの説明とBの説明はかなり異なっているところ、警察官の調書があれば、一般的に、被害に遭った直後の発言の方がリアルに記憶しており正確なこともあるので、これを開示請求して、確認する必要があるからである。
(3)また、Bの取り調べ情況を開示請求する(8号)。弁護人としては、Vの供述を信用性に乏しいと思い、Bの供述の方が信用できると考えている。Bの公判は分離されているが、共犯者であるので被告人に準じる。このため、Bの供述情況を確認し、その供述が信用できる状況でなされたことを確認するため、開示請求する必要がある。
〔設問3〕
(1)Aの弁護人としては、Aの罪責が強盗致傷ではなく、窃盗罪であるとの主張をすべきである。
(2)その理由は次のとおり。
①Aは、Bが「通行人の隙を狙ってかばんを奪って逃げていく」のだと思っているので、強盗の故意はない。窃盗の故意しかないので、強盗致傷罪は成立せず、窃盗罪となる。
②AとBは、「どうやってかばんをひったくるのか」について、具体的な共謀はない。Aは、自動車を運転するという重要な行為をしているので、幇助犯とすることはできないとしても、窃盗を行う認識しかなかったと認定できる。
③Aは、Bが車に乗り込んだ際も、車を降りた際にも、Bがバットを持っていることに気付いていない。このため、Bが強盗をするとの認識を持つ機会はなかったので、強盗致傷罪は成立しない。
④AとBは事前に分け前について協議をしていない。その上で、AがBから、10万円のうち2万円のみ受け取っている。強盗の共謀をして互いに正犯として罪を犯す認識があれば、半々に近い分け前となるべきところ、2万円しか受け取っていないことは、強盗の共謀はなかったことを示すものである。
〔設問4〕
1.Bは、Aの公判で証言したくないと言っており、かつ、調書の作成にも応じたくないと言っているので、公判において被告人質問で作成された調書を証拠として提出するべきである。
2.ただし、公判調書は「公判期日における供述に代る書面」であり、その内容を公訴事実の立証に用いるので、伝聞証拠である。このため、伝聞例外に該当しなければ、証拠とすることはできない。
3.そこで、321条2項により、証拠とすべきと考える。Aの弁護人からは、分離されていると言っても共犯なのであるから、「被告人以外」と言えないとの反論も予想されるが、AとBは別人なのであるから、BはAから見ると被告人以外の者なので、証拠としてよい。
※分量 3頁くらい。現場感覚としては、激ムズ、途方に暮れるレベルだった。
設問1 規則208条「3項」を書き漏らしたので減点。何を、なぜ、求釈明するかは全然分からず。適当に書いたので、たぶん違っているのだろう。
設問2 全く分からず、完全にボールペンが止まった。口述のときに勉強した記憶をなんとか手繰り寄せた。LECの岩崎講師の口述講座で、「類型証拠は1号~4号の客観証拠関係、5号~7号の供述証拠関係、8号の取り調べ情況の3つにグルーピングできる」と言っておられたのを思い出し、なんとか字数を埋めた。ただし、間違っていると思う(例えばVの員面調書は5号ロのようだ)。
設問3 これはサンプル問題(傷害の共謀共同正犯)の焼き直しだったので、何となく書くべきことは分かったが、うまくは書けなかった。動機がない(金に困っていない)ことを書き漏らした。
設問4 321条1項1号が正解なので、ここは0点。
刑事実務は、きちんと勉強するようにと言う司法試験委員会からのメッセージか?それとも、ローに行けと?単なる嫌がらせ?