旧司法試験から予備試験、司法試験へ

旧司法試験から予備試験、司法試験へ

『花瓶に水をあげましょう 心のずっと奥の方』~THE BLUE HEARTS「情熱の薔薇」

参考(受験記録)
社会人,おっさんからの旧司スタート
海外勤務などで中断した後,予備試験へ
予備論文1回目(H24)、不合格→工藤講師の講座でインプット
予備論文2回目(H25)、合格→口述不合格
予備論文3回目(H26)、合格→口述合格
司法試験1回目(H27)、合格
司法修習(H28.12~H29.12)
弁護士登録(H29.12.14)

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たまには何か書かないと,とは思うのですが,司法試験受験生の方への気の利いたアドバイスは,やはりちょっと無理なようです。

 

代わりに,71期の方向けに,二回試験の話をほんの少し。

 

基本的には,集合修習で教わったことをしっかり復習すれば,落ちないです。民法の基本知識がアレな感じの修習生も,ちゃんと受かっているらしい(伝聞)。

 

しっかり復習するには,ちゃんと講義を聞いて,自分でノートを作るのが良いです。邪魔臭い人は,ノートを上手にとる人に助けてもらいましょう。

 

導入が終わったばかりだと思いますが,導入の講義ノートや配布資料も,捨てずに残しておきましょう。

導入修習時点では,ふ~んと感じたことも,実務修習中の問研起案や集合修習での起案・解説講義の後で見直すと,ああそういうことか,と思うはずです。

 

それと,民弁ではプリントをたくさん配布されます(導入,集合とも)。二回試験の小問対策に有効です。70期では穴埋め形式での出題が3問ほどありましたが,いずれもプリントに答えが載っていました。導入のプリントからは,立証活動に関する知識が出ました。民事保全や和解等に関するプリントも,もらうと思います。

そんなわけで,和光での修習はだるいな~と思っても,資料は捨てない方が良いです。

 

集合修習をしっかり復習する以外では,民法(特に総則)と刑法各論の知識を忘れないように,自分なりに知識のキープ方法を工夫することが,優先順位が高いと思います。
修習中は遊んでばかりになるので,絶対に,あっという間に忘れます。

 

刑法各論は,今年の二回試験のように殺人(刑裁),殺人(検察),傷害(刑弁)ならいいですけど,放火や強盗,詐欺などが出題された場合,超基本的知識で嘘を書くと,(現実はめったに落ちないとしても)不安な気分になりますし。二回試験は長丁場なので,精神衛生上よろしくないです。


民法は,やはり意思表示に絡む問題がメインのようなので,総則は大切なようです。93条~95条,代理あたりですね。

 

要件事実は,みんなそれなりに勉強していますから,集合で当てられて焦らない程度には勉強した方が良いと思います。

なお,集合修習の民裁では,新問研レベルでは不足です。けっこう,難しいです。

しかし,二回試験本番の民裁は集合よりも易しいので(70期体験,69期伝聞),小難しい演習本(岡口など)をする必要は無いと思いました。要件事実がよく分かっていない人も,めったなことでは落ちませんし。さすがに集合から2回試験までの間に必死でやる(ただしA限定)し,事実認定の比重が高いことも,理由だと思います。

 

ただ,弁護実務修習では,(主張を組み立てるための)当然の前提として,要件事実は必要,かつ,当たり前すぎるくらいに重要だと感じました。業界の人間としての業界用語は,マスコミにも,霞が関にもあるはずです。そういうことです。

 

ちなみに,要件事実で事件を考えると,簡易裁判所(での簡裁判事への印象)では,イライラすることが多いらしいです(伝聞)。

「らしいです」というか・・・実際に〇〇簡裁で陪席して聞いていて,あれなんですけど,修習時代の話なんで,自分の感想をそのまま書くのは差し控えます。ただ,指導担当の先生の同僚弁護士の顔の表情で,僕が想像した程度の話・・・ということです。すみません,お許しください。

 
ちなみに,自分は宮仕えの人には同情的なバックグラウンドがあるので,簡裁判事の方もそれはそれで,弁護士がくちゃくちゃ言うよりもよっぽど,圧倒的に,たいへんだな~というのが,偽らざる印象です(まあ,弁護士よりも圧倒的に恵まれてますけどさ)。

 

以上,二回試験対策の基礎の基礎の話でした。

約1年間の司法修習を終え,二回試験も不合格発表に自分の受験番号は無く,12月14日付で弁護士になりました。

まだ,働いていないんですけどね。

 

司法修習生は言論の自由が極めて制限されているため,記事の更新は控えました。修習が終わったら,何か役に立つことを書こうかと,少し思ったりしていたのですが。

 

司法試験に合格したのは2年以上前,予備試験も3年以上前となってしまい,受験勉強のことは,ほとんど忘れてしまいました。

 

今の状態で商法の問題とか出されたら,どう考えても合格答案が書けそうにないです。

 

そんなわけなので,司法試験の勉強法を云々するのは,止めておきます。

 

その代わりに,何か役に立つようなことを思いついたら,また,細々と,更新していこうと思います。

1.ブログの更新について
第70期司法修習に行くことになりましたので,ブログの更新は,中断することにします。
仮に再開するとすれば,来年の12月以降となります。

閉じてしまうことも考えましたが,予備試験の口述失敗体験は,それなりに参考になり得ると思いますので,置いておくことにしました。

2.口述落ちの方へ
口述落ちは本当にしんどいです。私も,心臓がぽろっと床に落っこちるような感覚でした。
しかし,二度落ちはまずありませんし,一度論文に受かれば,また受かりやすいです。
私やよしきさんが,実例です。

3.社会人予備受験合格者の方へ
口述を失敗せず一度で突破しても、司法試験は複数回不合格になった社会人が、想像以上に多いです。
予備経由の社会人合格者の集まりがあり,話をうかがって、公表資料のとおりの実態があることが分かりました。
公表資料では、特に30歳代半ば以降,合格率が下がります。

かつては,平成23年度の予備1位合格者の方も司法試験は一度不合格になっておられます。
点数に響く,何かがあるようです。
社会人受験生の方は,特にこの点注意して、準備する必要があるようです。

作戦としては、過去問を十分に検討するのが最も重要だと思います。
その上で、最優秀の答案や難しい論述(特に憲法)は目指さず、訊かれたことに答えることに徹する、規範をたてて事実を当てはめて結論を出す等、当たり前のことを淡々とやれば、落ちない答案になるはずです。

4.今後の予定について
修習は,もう少し先をイメージしていたのですが,要支援認定を受けた実家の親の状態など,諸事情を総合考慮して,このタイミングで仕事を辞め,個人事業主として残りのそう長くはない人生を生きていくことにしました。まあ,バカなんでしょうね。

本当は,弁護士業務それ自体ではなくて,リーガルサービスでの起業の方に興味があったのですが,無職無収入となり,甘いことを言っていられなくなったので,まずは法律家として,即独で飯が食っていけるように,精進したいと思います。

5.とりあえずの終わりに
去年合格した際にも書きましたが,様々な方のブログに励まされたり,参考情報に接することができました。

多くの方に感謝しつつ,修習に行ってまいります。

それでは,また。