只今、苺の収穫の最盛期です。
毎朝7時にハウスに入ると、たわわに実った苺たちが待っています。
苺はデザートに食べる趣向品で、ちょっとした贅沢品というイメージかもしれません。
お米や小麦のように、誰かの命を支えることにはならないとしても、苺は笑顔を生み出すという力があります。
子どもは拗ねていても、真っ赤な可愛い苺を見ただけで笑顔になります。
たとえばお見舞いにもらうと、食欲がない人も苺なら食べる気になって、元気が出るかもしれません。
いつかの新聞にこんな記事がありました。
「人間の存在をより美しく、明るく照らすことが芸術家の使命です」
カール ベーム(指揮者)
「とはいえ、人間の存在を明るく照らせるのは、芸術だけではない。
例えば、高齢の母親が入院前に、あの店の豆腐をもう一度食べたい、と言ったとする。
家族が手を尽くしてその豆腐を取り寄せ、母親が笑顔になれば、家族も共に喜びに包まれる。
そのとき、豆腐を作った職人は、ひとつの家族を明るく照らしたことになる」
どんな仕事も芸術と同じように、人を明るく照らすことができるんですね。
そう思うと、やりがいを感じます。
今朝、摘んだ苺が、どこかの家族を笑顔にする明かりになりますように。