これは過去のお話になります。


テレビでKさんの資格取得が不合格だった……という報道を見ました。

わたしはこのご夫婦の行動に共感できないことは多いですが、結婚してから周りからのプレッシャーの中、仕事をしながら試験合格を目指して勉強をしている様子は昔の自分達と重なるものがあって、別の思いがわいてきます。


義父の仕事を継いだ夫ですが、結婚した時はまだ国家資格を取得しておらず、毎年チャレンジしていましたがなかなか合格には至りませんでした。

当然のように、特に義父からのプレッシャーがすごかったです。



何回か仕事に行く日を減らして(当然給料も減ります)勉強する年もありましたが、義父の健康状態が浮き沈みがあって、その度に人手が足りず仕事に戻され中途半端なことに……。

足を引っ張ってるのはあなただよ!

義父がプレッシャーをかけるたびにこの理不尽さを心の中で叫んでました。


息子が幼稚園に入った時、

このままではダメなので、完全に仕事を休職して国家試験の勉強をしたい。

と夫から相談され、もちろんわたしは了解しました。

ただ条件がありました。

義父の健康で左右されない!


共働き時代に貯めたお金がかなりありました。

節約すれば3年は給与がなくてもやっていけるという自信がありました。

その間、わたしもパートで働きました。

実際には2年で合格しました。


夫は朝から図書館で勉強し、そのまま夜間学校へ行き、夜中も2時過ぎまで勉強していました。


前置き長くなりました。

決して悲壮感はなかったですが、たまには命の洗濯が必要……と思ってました。

一度行ってみたい場所がありました。

土日は車通行禁止の場所で小さい子を連れてはなかなか行けません。


土日に行く旅行を平日にずらしたつもりで

ある平日1泊でそこへ行きました。

義父の会社を休んでるくせに……。

後ろめたくなかったわけではありません。

朝から夜まで勉強して、わたしも家計を支えて、1年の中でたった1泊です。

心の洗濯をしたかった。


旅行先の緑ときれいな水の流れと、本当に深呼吸できてまた頑張ろう!と思えました。

平日だったので人も少なく、渋滞のストレスや疲れもありませんでした。





ですが、帰宅すると大騒ぎになってたのです。


義母が用事があって家に電話したらしいのですが、電話に出ない。

夜になっても出ない。

何度も電話しまくったようです。

一家心中でもしたかと思ったようです。

当時はまだ携帯がありませんでした。

わたしの実家にも電話して、合鍵を持ってないかと大騒ぎ。

たった1日連絡がつかないだけで合鍵で部屋に入ろうとしました。

よかった合鍵渡してなくて。

合鍵で中に入って、住所録や年賀状から友人達に連絡しようとしたそうです。

ありえん!!


勝手にストーリーを作り上げてあちこちに連絡して、会社の人にまで何か聞いてないか……と話したそうです。

私たちが帰宅して1泊で旅行に行ってたというと、非難の嵐。

実家の親からも叱られ、義父母からも叱られ。

会社の人には立場なく……。

夫を追い込みました。


あの時は本当に義母を恨みました。

何より、自分の息子を追い込んでどうすんだよ!

という怒り。

そして、自分の息子を信じてないんだな……という怒り。


まぁ、朝起きるのが遅いだけで、家族皆殺しにされてるのでは……と考えるネガティブな人だから。




それからしばらくして、また義父が体調を崩して仕事を休んだので、人手不足になったそうで、

このまま試験に合格しても大事なものを無くしそうな気がする……

約束を破って申し訳ないけど週に2日仕事に出たい。


夫がそう言い出しました。

いろんな思いはあったけれど、過去に平日に旅行に行った(旅行に行った時は義父は仕事に出ていました)という負目もあって、とても追い込まれていた様子だったので、


うん。あなたがそう思うならいいよ。ショボーン照れ


ありがとう。本当にごめん。えーん


そう言って夫は私のことを抱きしめました。

声が泣いていたのがわかりました。




お義母さん、言い分はあるでしょう。

私は毎日大変な思いの夫をリフレッシュさせたかった。

あなたの過干渉と大騒ぎする癖が夫を追い込んだんですよ……。

全くそのことには気づかず、うたさんが行きたがったに違いない……と思っていたでしょうけれど。あなたも騒ぎすぎた事を反省して欲しかった。

当時の私は若くて自分達が反省させられることばかりだったけど。


だいたいのことは、事を大きくした直後になーんだ……と解決して、あと少し待てばよかった……

そんなものです。

義母はいまだに、些細な事を誇大妄想してひとりで騒ぎます。

高齢になって困るのは、その妄想した事を事実と思いこむ事です。