これは過去のお話です。

時間軸が前後する場合があります。



    

訳あって認知症の要介護3の
実家の父は一人暮らしになりました。
具合が悪そう……と救急車で運ばれ
貧血がひどいので
検査のために入院のはずが
急変しました。




後妻との日々、突然の離婚と一人暮らし。

その後の不安定な生活で、父は大きな胃潰瘍ができていました。

大出血を起こし、洗面器で1杯吐血しました。

奇跡的に病院に居た時だったので、処置が早く

一命を取り留めました。





病室で父が目を覚ました後、私に聞きました。



うた……あの人たちはどこへ行かれたかな………。


ん?誰のこと?


一緒に電車に乗っていた人たちだよ。


………。


皆さんと一緒に電車に乗っていたんだけど、お父さんだけ途中の駅で降りちゃったんだ……。

挨拶もしなくて勝手に降りちゃって、申し訳なかったなと思って……。

あの方達どこへ行かれたのだろう……。


多分、天国へ行かれたんだね。

お父さんは途中で降りたから戻ってこれたんだよ……。



意味があって電車を降りたはず……。

父のための意味。

私たちのための意味。