これは過去のお話です
時間軸が前後する場合があります。
事情があって実家の父は
要介護3の認知症で
一人暮らしになりました。
デーサービス、ヘルパーさんに入ってもらい
どうにか暮らしていました。
少し時間軸が戻っているかもしれません。
10年前の話で、記憶が曖昧な部分があります。
ある日。
朝のヘルパーさんから電話が入りました。
お父さんの様子が少しおかしいです。
食欲もないし、フラフラしています。ご本人は大丈夫と言ってますが、転んで怪我をしても怖いので、心配なので救急車を呼びます。
運ばれた病院に弟と駆けつけました。
意識もしっかりしていましたので、すぐ帰されるだろうと思いましたが、貧血がひどいとのことで原因を探すために入院することになりました。
お父さん、貧血みたいだからとりあえず入院することになったよ。
検査して悪いところ治したら帰れるから。
あそう。わかった。大丈夫。
ここに寝てていいの?
いいよいいよ。入院の荷物取ってくるからね。
尿管を入れられる時は声を上げて痛がっていましたが、その後は顔色が悪い以外は元気でした。
入院手続きを済ませ、必要なものを聞いて、一旦弟の車に乗って取りに帰ることにしました。
時間はもう3時近くになっていて、弟も私も昼食を食べてなかったので、道すがらにあるファミレスで今後のことを話しながら軽くランチをとりました。
実家で必要なものを車に詰め込んでいると、近所の方が朝の救急車の件を心配して話しかけてきました。
入院することになりました………と話していると。
姉ちゃん!車乗って!
急変したって!![]()
車で病院に戻りながら、
どういう意味?何が起きたの??![]()
わからない。ただ急変したからご家族はすぐきてくださいって。
だって、普通に会話してたじゃない!![]()
でも急変ってことは命に関わるってことだろ?
病院へ着くとオペ室の前に行くように言われ、
そこにストレッチャーに乗った父が通りました。
酸素マスクをされ、チラッとみた顔に血の気はなく、目は開いていましたが見えてないようでした。
ついさっき見た父とは別人になっていました。
一瞬で、かなり大変なことが起きたと悟りました。
ベンチに座っていると、まるでドラマのようにお医者さんが凄い勢いではオペ室に入っていきました。
何?
何?
しばらくして、駆け込んでいったお医者さんが出てきました。
胃に巨大な胃潰瘍があり、それが大出血を起こしました。
洗面器で1杯分吐血しました。
一時心肺停止になり蘇生しました。
出血が止まりませんでしたが、急遽内視鏡で焼いてかろうじて出血を止めました。
ただ、またいつ大出血するかわかりません。
その時は覚悟してください。
もしも……もしもあの時ヘルパーさんが救急車を呼ばなかったら……。
病院以外で吐血していたら、絶対に間に合わず命を落としていたそうです。
あれだけの胃潰瘍があったなら相当痛んだはずですが……。
でも胃が痛いと言ったのは聞いたことがありません。
離婚する前の後妻との日々。
突然一人暮らしになってしまった不安。
毎日父にとっては知らない場所に行く不安定感。
どれたけのストレスがかかっていたことか……。
私たちは自分のストレスでいっぱいでしたが、父も大きなストレスを抱えていたのだと初めて気付きました。
この時のことを、のちに弟と話すことがあります。
あの時父が命を取り留めた理由はあったのだと思うけれど、その後の父を思うと複雑な気持ちになります。