2019年8月21日(水)

 

抗がん剤治療 6日目

 

 

いつもの朝ごはんの画像からのおはようLINE。

 

(今日は呼吸器検査なんだって。なんかイヤやわ。肺活量とか)

 

(なんでイヤなの?)

 

(不安だよ。たくさんの息の出し入れって)

 

そっか。いつも浅い呼吸だもんね。

わたしは子供の頃、アレルギー喘息やアトピーがあったから、そのイメージはわかる。

でも、そんなの様子を見ながらゆっくりやっちゃえばいいのに。とも思う

痛かったらすぐやめる感じで。

でもユウはそこら辺も手を抜かずちゃんとやりたいらしい。

 

でも空気を思いっきり吸えないって。。。気持ち的にもしんどいだろうな~。普通の事が普通にできないもどかしさ。

 

ユウ(昨夜からエアコンの温度が上げられて少し暑かったのね)(そしたら少し呼吸が前日より気持ち苦しいみたいなことに)(それが理由で検査ではないけど、そんなん事があったから、少しナイーブなの)

 

 

ちょっとした体の変化に敏感に反応しているんだな。

とにかく気持ちが落ち込んでいるのは分かった。

ウタ、出動か?
 
私(今日、背中さすりに行くね)
 
ユウ(本当に?嬉しいけど、でも無理はしないで)
 
私(すっごい無理はしないけど、多少の無理はする。まぁ、云うても大した無理ではない。わたしの人生のほんの半日仕事を休んだとて、世の中何にも変わらん笑)(とりあえず、仕事集中するから午前中はもうLINEできない。ユウも検査がんばって)
 
(うん。ありがとう)
 
(私がキスしたいだけたから。会いに行く)
 
(俺、もっといろいろするよ)
 
(断る!)
 
 
 
 
 
とにかく集中した。
とりあえず、本日中の仕事をやり遂げ
 
(これから向かう)
ユウにLINEする
 
(いいのかい?嬉しいよ)
 
病院へ向かう電車の中でもできる仕事をやりながら移動時間を有意義に過ごす。
 
あともう一本乗り継げば着く、という時、ユウからLINE。
 
(さっき、検査終わった)(今度は弟と鉢合わせすると思うけど、気にせんといて)
 
(!)(気になるわ)←兄貴風ツッコミ
 
おー、そうきたか。
でも兄弟二人目となると動揺も少なめ。
ユウは三人兄弟の真ん中。
 
 
そして私が病室へ到着すると、その3分後ぐらいに弟さんが病室へ入ってきた
ちょうどユウがトイレに立つタイミングだった
 
そしてお兄さんの時と同じく、私の顔見て驚く。
 
また私の存在、何も言ってなかったな、こやつ。
 
「あー、今お付き合いしている人」ユウが一応紹介する
「弟です。はじめまして」
弟さんはすぐ気持ちを切り替えた様子で、すごく爽やかな笑顔で挨拶してくれた
「はじめまして。えーっと、付き合ってます。」相変わらず冴えない挨拶のワタシ・・
 
そして弟さんと、私で
「いいから、トイレ行ってきて」
ユウを促す
「あー、はいはい」ユウが出ていく
 
弟さんと二人きりになる病室。
駅から歩いてきた私は鼻の頭に汗をかいてた。それをハンカチで拭きながら
「私も今来たとこで、歩いてきたから汗かいてて」←なんか言い訳する滝汗滝汗
「自分も電車だったですよ。外は暑かったですよね」←全然汗かいてない。むしろ涼しげ。スーツなのに。
「私、一人汗かいてる。恥ずかしい」←思った事がすべて口に出るタイプ
「いや、自分もかいてます!」←全然かいてない。優しい。
 
そんな会話を交わしていると、ユウが戻ってきた。
 
「じゃあ、私はラウンジにいるのでごゆっくり」
 
デジャヴか。兄の時と同じように病室をそそくさと出ていく。
 
あー、ビックリした。弟さんイケメンだった(ユウには言えないが笑)
ユウより身長高いし、髪の毛もあるし(もっと言えない笑笑)
確か年齢差があったはずだ。
 
まぁ、でもそんなことより、今日の私は胃が痛かった。
胃はもともと弱い。検診でよくひっかかる。胃潰瘍ができる体質だ。
なのに、お酒・コーヒー・辛い物が好きなのである。自業自得といえば自業自得なのだ。チーン
ラウンジのイスに腰かけ胃薬を飲む。胃薬は常に持ち歩いている。持病みたいなもんだ。
いつもは胃薬を飲んで20分もすれば良くなってくるのだが今日はダメだ。
こうやって稀にすごくダメな時もある。冷や汗が出てきた。あー、ヤバい
痛いだけではなく、吐き気がする。
それでも30分ぐらい我慢したが、ダメだ。トイレで吐いてこよう。(実際は吐けないが)
席を立ってトイレに向った。
そしたらちょうど弟さんが帰る所だった。廊下で会う。
 
イケメン弟さんが、強い目力で
「兄の事、よろしくお願いします」と言った。
 
「はい。任せて」←軽い。胃痛があり言葉に力も入らない。そして気の利いたことがまた言えない。。
 
「お願いします」もう一度言われた。目が真剣だった。本気のお願いだと思った。
 
「うん。大丈夫」←ますます軽い。滝汗
 
お兄さんの事、大好きで本当に心配しているんだな。(当たり前だけど)
やはり皆の為にも絶対良くなってもらわないと。
 
ユウはエレベーターまで送って行くと言って二人で歩いて行った。
「お気をつけて」私は手を振って見送った。
「なんで手を振る」ユウが笑いながら言った。
え?なにがおかしい?真顔
 
私はユウの部屋へ行き、ベッドに横になった。
胃が痛い。気持ち悪い。
心配かけてはいけないと思いつつ、気丈にふるまえないレベルだ。
 
横になった時、目線の先にあるイスの上にガンプラの箱を見つけた。
弟さんが買ってきたんだな。確か紙袋もって来てた。
へぇ~、ガンダム好きなんだ。
そんなことを考えていたら
ユウが戻ってくる
 
「どうした?顔色悪いぞ」
 
「胃が痛い・・」
 
「そっか。ごめんな。そうだよな。ウタもいい年だもんな」
 
そこかい!
 
 
 
 
夕方ごろまで胃痛が続いた。
横になっていると少し楽なので、ユウとゆっくり話しをしながら過ごした。
 
今日の肺活量検査。すごく疲れたと。
吸う力が弱いけど吐くのは人並みだったよう。
これがベンチマークで、これからまだ伸びしろがあるから数値は必ずよくなると言った。
 
「焦らずいこうね」
私たちの合言葉のようになっていた。
(あまり分からなかったけどユウはせっかち屋らしい)
 
夜の7時ごろになると私の胃痛はかなり回復していた。
だからお昼ご飯用に持ってきたおにぎりを食べ始めた。
 
それを見てユウは安心していた。
 
「キスしていい?」
突然耳打ちされる
「いいよ」    
キスをする
「もっといろいろしたい」
冗談かと思いスルーしておにぎりを食べる(相手するのも面倒なので)
 
「気が狂いそう。ウタを抱きたい。」
ユウが真顔で言う
 
「えー!本気なの?」
びっくり。
「キモくてすまん。マジや」
「ここでやる?」
「ウタ・・・やりたいけど・・・あかん」
「あっ、そう。わかった」 
 
おにぎりの続きを食べる 
 
「あっさりやなあ」
「悶々と過ごすしかないね~」
「狂ってしまうんやで」
「理性か、狂うか、逮捕か、強制退院させられるか。選んで」
 
「理性や・・・」
 
私は二つ目のおにぎりの袋を開けた。