2019年8月5日(月)

 

検査入院の日。

 

日程は

 

月曜日⇒入院。血液検査など簡単な検査

火曜日⇒検査本番

水曜日⇒退院

 

とのこと。

二日目の検査がどんなものかは聞いていない。

 

昨日、兵庫の親御さんも来られたようだ。

入院には親御さんと義妹が付き添うよう

私も行きたかったが、そこは出しゃばれない

微妙な立場の私。。。

 

朝、ユウからLINEが入る

 

ユウ (おはよ。昨夜ね、お父さんに背中をさすってもらいながら、父の言うリズムに合わせて深く呼吸を10分くらいかな?やったの。すごいわ。なんか感じ良くなった)

 

夜中に我が子の背中をさする父のその心情を思うと涙が出そうになる

 

ウタ (手当て、だね。良かった。そこにはすごいパワーがあると思う)

 

ユウ (それでさ、ウタのこと両親に話しちゃった)

 

ウタ (!)

 

何故このタイミング!そして基本すべて事後報告!!

・・・・でも、、嬉しいかも、、、

 

ユウ (父は安心したって言ってた。お前は元気があっていいって)

 

確かに。私も元気をもらってるぐらいだもん。

 

ユウ (母も大丈夫)

 

どう、大丈夫なんだよ~。  ←聞けない

 

ユウ (そういうことだから)

 

えーーっ?どういうこと?

もっと深くその話を聞きたいとこだが、ユウも入院準備があるだろうし、私も会社へ行く時間だ。

 

ウタ (気を付けて行ってね。おパンツ、新しいの履いてくんだよ)

それだけLINEしてウチを出た。

 

 

 

私の仕事はけっこう忙しい。

 

あさイチから一気に仕事をこなし、一息ついて携帯電話を見るとユウからLINEが入ってた

動画だ。

 

自宅のリビングだろうか?そこで自撮りしたようだ

『これから戦いに行ってきます。がんばります。』

そして笑顔でピース。

 

いってらっしゃい。

この戦いはユウの、そして私たちの明るい未来への門出。

どんなにツラくても絶対負けないで。

 

また泣きそうになる自分。

いやいや、ここは会社。

 

グッと涙をこらえ、再び仕事に集中した

 

 

 

夕方、ユウから再びLINE入る

 

ユウ (今日の検査、全て終わったよ~。親父も義妹も帰った。ウタ、来てみない?)

 

私 (行く!)

 

二つ返事だ。

 

もしかしたら・・・に備え今日は仕事をいつ切り上げてもいいようにこなしてた。

やってて良かった~

そそくさと早退だ

 

会社からユウの病院までは電車をいくつか乗り換えて1時間半ぐらいかかる

初めて乗る路線もあり少し緊張した

帰宅ラッシュが始まりかけ少し混み合ってきた電車に揺られながら、車窓から流れゆく街の景色を眺める。

多分、この先何度も見ることになる景色だろう。複雑な気持ちになる。

 

病院は郊外の自然が多い場所に建っていた。

病院手前のコンビニでユウにLINEをする

 

私 (何か欲しい物ある?)

 

ユウ (食べ物)

 

私 (え?食べていいの?明日検査でしょ?)

 

ユウ (少しくらいいいやろ)

 

私 (ほんき?)

 

ユウ (いや、やめとく)

 

私 (だね笑)

 

ユウ (2階に売店あってさ。誘惑に負けそう)

 

私 (代わりに食べとく。何食べたい?)

 

ユウ (メロンパン)

 

私 (笑。私も食べたいかも!教えてくれてありがとう)

 

ユウ (美味しそうやねんて)

 

私 (口の回りメロンパンのクズつけて病室行くわ)

 

ユウ (やめてくれ!大人!)

 

そんなアホみたいな会話してたら病院についた

 

夜間外来の入り口から入るとロビーに入院患者さんが座っていた

 

痩せ細った体。手には点滴をし、頭にはニットキャップ。

胸が苦しくなる。

 

いろんな気持ちを抑えながら係りの方に受付方法を尋ねる

教えられた通り

受付用紙にユウの氏名を書いて、私の名前と住所を書いて・・

すると次の項目は『患者との関係』の欄だった。

ペンが止まる。

家族、、、にチェックはちょっと図々しいな

友達、、、にチェックは、ちょっと癪だしな。。。 

 

しばし悩む。

もっと気の利いた選択肢も書いておいてくれよ~なんて勝手な事を思いながら

結局『その他』にチェック。(あくまでも友達にチェック入れたくない小さなプライド笑)

 

部屋番号は聞いていたのでそのままエレベーターに乗り込みユウの元へ向った

 

ユウは4人部屋の入り口側だった。

そーっとカーテンを開けると、笑顔でベットに横たわってたユウが(*´з`)チューの口をした。

声を出して笑いそうになる。慌てて二人でシーのポーズ。

ここは病室。普通の話し声でさえ、はばかれる場所。

ユウが小声でラウンジへ行こうと言った。

 

同じ階にあるラウンジでは遅い時間のせいか誰もいなかった

私たちはテーブルを挟み座ったが、ユウが、それでは2人の距離が遠いと、私の隣に移ってきて、私の手を握ってきた。

 

ユウをマジマジと見る

いつもと何にも変わらない。

 

この人は本当に癌なんだろうか?

 

「長女が病気に気付いた。薬漬けの日々になると言われたよ。頭の毛もアソコの毛も全部抜けるってさ」

ユウが言う

 

長女の気丈さに私ももっとしっかりしないと、と気を引き締める

 

「抜ける前にアソコ見といてあげようか?」

 

ユウがニヤリと笑いながら 「アホか」と言った

 

 

そして今度はユウが真顔で言う

「むっちゃエッチしたい」

 

なんたるメンタル!癌患者なのに性欲ってわくの? ←聞けない

それとも命が尽きる前に子孫を残そう本能!? ←言えない

 

私「治療して元気になったらいっぱいしよ。いうほどできないかもだけど笑」

ユウ「俺の本気みせちゃるわ」

 

アホな話題でいつまでもユウとなら笑って話せる

楽しい

そしてこの人が好き。心からそう思う。

 

でも二人の時間はあっという間に過ぎる

面会終了時間のアナウンスが流れた

 

ユウが病院の玄関前まで送ってくれるという

エレベーターの中で

明日の検査の内容を聞いたら、胃カメラの肺バージョンらしい

想像しただけでツラそうだ

ユウを抱きしめる

私「明日はオエオエゲローだね。がんばってね」

ユウ「そんな励まし方あるか?ウタといるとホント笑えるわ。明日もきてくれ」

私「来ていいの!?」

ユウ「うん。今日と同じくらいの時間だったら回復していると思う。多分今日よりも会いたい気持ちだと思う。大変じゃなかったらきてほしい」

私「うん。私も顔を見れた方が落ち着く」

ユウ「じゃあ、明日な」

 

キスをする

 

 

一人で帰路につく夏の夜道は少し蒸し暑かった

でもこの日の私の心は、また明日ユウに会える嬉しさでいっぱいだった。

 

 

 

星