本日臨時議会が開催され、先般より話題となっていた対青館改修による防災施設の案件の議決があった。前回私は反対を表明し、結果として(賛成反対同数で議長採決により)否決された。

本件の詳細の説明は省略するが、前回反対した理由としては、以下の通り。

〇住民説明が不十分で反対の声が大きい

〇建物取得額が高額で周辺住民の理解が得られない

〇施設建設後の管理運営が明確でなく、またビジョンも見えない

 

 そしてこの度、町執行部は再び議案化してきたが、概要は変わらず、施設建設費用の一部減額を提示してきた。今回私は賛成をして、可決となった。理由としては、

〇賛成・反対住民それぞれの共通の思い(落としどころ)としては、荒廃した対青館を何とか整備して欲しいという事

〇この案件がこのまま、対立したままで解決しないのは得策でなく、今後町民の思いを少しでも実現させていきたいから

〇(防災)施設としての管理運営体制の道筋が少し見えたところがあったため

 

正直言うと、消極的な賛成であり、幾分後味の悪い結末だったと言える。しかし、これで終わりではない。私としては反対できなかった代わりに、今後の計画・設計で何とか住民の意見を反映していくお手伝いが出来ればいいと思っている。

 本会議ではこの件を議論してきたが、今日は全協で納得しかねる案件が2つも出てきた。これから調査しながら、執行部との議論を続けていきたいと思う。

 

 

 

 〈余談、講談、独り言〉

 本会議で、議員側と執行部との質問のやり取りを聞きながら、私は賛否を問うべき問題から心が離れていく感覚に襲われた(勿論議員としてあるまじき、なんて言われるかもしれないが)。どうでもいいという訳ではないが、どっちに転んでも大変な事には変わりない。賛成すれば、また町の建物が増え、維持管理に焦るビジョン無き未来がやってくるのでは。とはいえ、反対したら防災計画の練り直しと対青館の利活用が遠のいてしまう。

 結局、議員(私だけ?)は成り行き任せ、町民は町任せ、町は審議会任せ、どこにも主体性が無かったことが問題だ。そんな事をぼんやり考えていると、賛否討論、採決を迎えた。私は“1”のボタンを押した…。

 執行部は幾分晴れやかな表情、というか安堵の吐息が漏れてくる。この1時間で私はぐったりなった。

 休憩を迎え、廊下に出ると、新聞記者から質問を受けた。恐らく普通に聞いてきたのだが、私は詰問に感じたのかも。

「前回反対されたのに、何故今回は賛成したのですか?」

ああそうか、今日から私は“変節漢”となったんだ笑!私が色々と悩んだとしても、その経緯なんか関係ない。情報としては〇か×が有権者には届けられる。前回の採決では反対派から随分褒められたもんだ。今回はかなり厳しい事を言われるに違いない。 

 もやもやと晴れやかさの隙間から、吹っ切れた感が顔を覗かせた。そして記者には本音で、感じた事言いたい事を言い放った。遠回しの言い回しで、町も反対派もオレもバカヤローだ、もうイヤになった、なんてね。

 記者さん戸惑う、記事にはならないだろうが、さぞ扱いに困った事だろう。

 議員というものに慣れるまでには、もう少しかかりそう、いや、慣れるとはどういうことだろうか?

 ただ今の気持ちの揺れ具合だと、ある日突然旅に出てしまうかもしれないな、くわばら、くわばら笑。