高3の夏休み、周りが東京の予備校の夏期講習を受けると言っているので、私もそれに乗ってしまった。

 

 

首都圏に親戚の家があり、そこで1週間程度お世話になって都内の河合塾の講座をとることにした。科目はまだ何もやっていない社会2科目を選んだ。「東大日本史」(石川晶康先生)と「東大地理」(故権田雅幸先生)。(地理の方はまだテキストを取ってあったため写真をアップした)。

 

日本史の方は石川先生の話のうまさに引き込まれた。今でも忘れないのが「細かいこと覚えるのは早慶志望者に任せておけ」「東大志望者の君らは頭を使え」という言葉である。ただ、日本史の勉強が全然進んでいなかったので、講義内容は消化不良だったように思う。

 

地理の権田先生は有名であったが、静かなしゃべり方で、最初はあまりよさがわからなかった。しかし、権田先生の地理は論理で迫る名講義であった。私は「権田の地理」のとりこになった。また、うわさでは聞いていたが、最終日には受講生からビールの差し入れがあった。そして、権田先生はそのビールを飲みながら講義をした。今では許されないことであろうが、まだ緩い時代であった。

 

この二つの講座は田舎の高校生には大変刺激であったが、さらにショックを受けたのは東京の(といってもどこまで東京出身者かはわからないが)東大受験生たちが垢ぬけていたことである。お洒落でさわやかに見えた。

 

うちの高校から東大を受けるような人たちはファッション等に関心のないいわゆるガリ勉て感じの人ばかり。やっぱり都会は違う、もしかして東京の高校生にとって東大を目指すというのはそんなに身構えることではないのかもしれないとカルチャーショックを受けたのであった。