歌の手帖7月号とキャンディーズ | 月刊歌の手帖 編集部ブログ

昨年の3月25日の

このブログで、

2016年3月18日、

東京・赤坂BLITZで行われた

「キャンディーズ

ファイナル・カーニバル」

上映会へ取材に行った時の話を

書きましたが、

その取材で

すっかりキャンディーズに

魅せられた僕は、

それ以来、

彼女達の音楽が心の中で、

深く静かに灯り続けていました。

↑これはその上映会前に行われた、

マスコミ取材で展示されていた

キャンディーズの衣装です。

 

上映会の取材をきっかけに

僕はキャンディーズのCDを買って、

彼女たちの歌を聴き込みました。

 

華麗な三声コーラス、

安定感あるユニゾン、

ソロでの

独特で艶やかな表現力。

楽曲も、

モータウンやフィリーソウル系の

音楽を取り入れてたり、

かと思えばドメスティックな

フォークソングっぽいものも

あったり、

こんな凄いことを

1970年代にしていたんだ、と

色々と発見がありました。

 

 

それで

以前、山口百恵さんの作品を

本誌の巻末楽譜特集

(2015年5月号)でやったように、

キャンディーズもできないかな?と

思っていたんです。

でも、百恵さんは好評を得ましたが、

さすがにキャンディーズは

本誌の読者層的には違うかな?

(世代は重複しそうですが)、

何かきっかけがあれば…

と思って、時間が過ぎていきました。

 

 

しかし今年に入って

弊社から

キャンディーズの単行本を出す、

という話が突然浮上してきました。

著者はなんと、

『春一番』などを手掛け、

キャンディーズには欠かせない存在の

作詞・作曲・編曲家・穂口雄右氏。

 

おおっ、これはチャンス!

渡りに舟…とばかりに、

本誌巻末で

キャンディーズ企画を立てよう!

と思ったワケです。

弊社から好評発売中の単行本

『小説 春一番

キャンディーズに恋した作曲家』。

これは、穂口氏とキャンディーズの

ノンフィクションの実話と、

キャンディーズに魅せられた少年の

フィクション小説が同時進行で展開していく本。

身内の本を褒めるのも何ですが(笑)、

面白いですよ。

キャンディーズの語り継がれるべき、

エピソードがいっぱい。

 

 

例えばヒット曲『年下の男の子』

の話だけでも、

レイチャールズ『ハレルヤ・アイ・ラブ・ユー・ソー!』や、

ビートルズ『キャント・バイ・ミー・ラブ』をヒントに、

ブルーノートで作られた話、

元々B面として作られた話。

最初のバージョンは

若き日の村上“ポンタ”秀一が

ドラムで参加した、

ロック・ヴァージョンがあった話。

レコーディングが終わった後に、

ランちゃんの

ボーカルが一音だけ外れてたので、

深夜にランちゃんを呼び出して、

その一音だけ録音した話など、

キャンディーズに

昨年魅せられた僕にとって、

興味深い話が満載です。

↑『ゴールデン★アイドル

 キャンディーズ』

(ソニー MHCL-30304~5)は

キャンディーズの

1973年から78年に

発表された全シングルAB面と、

企画盤としてリリースされた2曲を加えた

2枚組ベスト。

 

個人的にキャンディーズで

好きなベスト3は、

『暑中お見舞い申し上げます』

『やさしい悪魔』

『アン・ドゥ・トロワ』ですが、

改めてキャンディーズを聴いて

好きになったのが、

ソウル系のうねるビートが

たまらない

『その気にさせないで』。

 

 

また、

梓みちよさんがヒットさせた

『銀河系まで飛んで行け!』や、

プロポーズ大作戦の

『ラッキーチャンスを逃さないで』

など、

シングル以外にも名曲多いんですよね。

☆追加☆

その『銀河系まで飛んで行け!』や、

『ラッキーチャンスを逃さないで』、

そして

『暑中お見舞い申し上げますPart2』

『アン・ドゥ・トロワ パートⅡ』などを

収録したベストが、

上の『GOLDEN☆BEST キャンディーズ』

(ソニー MHCL-20056~57)です。

 

 

 

このアルバム『年下の男の子』には、

『春一番』の初期ミックスが収録されていて、

それはドラムとベースの音を前面に出した

ロック的なミックスで、

これが良いんですよ。

(このアルバムから

『春一番』がシングルカットされる

のですが、

シングルでは

歌謡曲らしくボーカルを強調し、

一部楽器を追加した

ミックスになります)。

実はこれも手に入れました(笑)。

 

 

活動期間はたった4年半。

デビューした時、3人は10代で、

解散時は3人とも20歳そこそこ。

 

解散コンサートの

ファイナル・カーニバルには

当時史上空前だった5万5千人が

後楽園球場に集まり、

社会現象になったそうです。

 

また、それまで

オリコン1位を獲得した曲がなかった

彼女たちですが、

ファンの方々が結束して、

ラストシングル『微笑がえし』は

最初で最後の

オリコン1位を獲得しました。

まさに解散の時が

人気の最大ピーク。

こんなこと、

日本の音楽史上で、

他に類を見ないのでは?

(普通、全盛期をちょっと

過ぎたあたりで解散しますからね)

 

3人は解散後も

ずっと仲が良かったそうですが、

復活は1度もありませんでした。

そして一番若いスーちゃんが

2011年に亡くなられ、

残念ながら、

永久に復活は不可能ですが、

キャンディーズの残してくれた曲は、

永遠に私達の心で灯り続けます。

 

解散から39年。

単なるアイドルとは一線を画す、

キャンディーズの素晴らしい歌声、

作品たちを、

語り継いでいくべき。

カラオケで

キャンディーズの歌を、

コーラスなどで、

もっと楽しんでほしい…

 

そういう思いと願いを込めて、

歌の手帖7月号の

巻末楽譜特集

キャンディーズBEST HITSを

作らせていただきました。

 

村田