教員採用試験の小学校専門、一般教養でいうと、理数英でしっかりと点数が取れればなんとかなる場合が多いです。現時点で、その分野に苦手が無ければ、ガリガリと毎日〇時間勉強というような量重視の勉強は必要はなく、質重視で計画的に勉強をすれば、筆記試験は合格点に達します。逆の場合、つまり理数英がどうにもならない、という方は、質より量重視の勉強にならざるを得ません。英語であるなら、単語、熟語、文法、構文、数学は小学校の計算、割合、文章題と一つ一つさかのぼって基礎から始める方が、最終的には合格点に近づくはずです。市販の教員採用試験対策の一般教養問題集、小学校専門問題集で網羅できるかと言えば、できません。数学でいえば、解き方を理解しても計算が苦手なら、最終的に正答はでません。1次、2次方程式の解き方、因数分解の仕方、割算、掛け算、足し算、引き算、このような基礎があって初めて正答に達します。よく、解き方は解っていたのに凡ミスで間違えた、と聞きますが、これは凡ミスでなく力不足です。計算の訓練をしていないから間違えているんですね。計算に時間を取られて時間が足りなかった、英文を読むのに時間を費やした、その結果として、時間が足りず、合格できなかった、というのも同じです。さて昨日、受講生と解いた算数の問題。兵庫県の小学校専門で出題されるタイプです。

10分でチャレンジしてください。

 

問題

0から99までの整数の書かれた100枚のカードがあります。このカードを1枚ボックスX (エックス)に入れると次のような仕組みでカードが1枚出てきます。なお、カードは2枚以上同時に入れることはできません。また、Aという数字の書かれたカードをⒶとします。

しくみ1

 入れるカードの数字が、ある整数を2回かけたものなら、その整数のカードがでてきます。例えば㊱をいれると36=6×6なので⑥がでてきます。

しくみ2

 入れるカードの数字がある整数を2回かけたものでないなら、その数字の一の位の数字のカードが出てきます。例えば⑩を入れると、0が出てきます

 

(1)⓪~99までの100枚のカードのうち、あるカードをボックスXに入れると②がでてきました。そのようなカードは全部でいくつありますか

(2)⓪~99までの100枚のカードを1回ボックスXに入れました。出てきたカードをすべてたすと

いくつになりますか

※99→99を〇で囲った数字です。変換できないので

答え 下

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え

(1)11(2)450

読むのが嫌になりましたか?実はこのような文章題の場合、算数・数学が苦手な人は文章を 

読みません。諦めます。まず頑張って読んでみること。すべてはそこから。次に見落とさないこと。この問題であるなら、ボックスXに入れるカードは常に1枚です。つまり100通りのカードが出てくることをまずは読み取ることです。

 

しっかりと読めば算数の知識はあまり使わず解くことができます。

 

仕組み2が基本です。例外が仕組み1となります。

例外は10枚

0=0×0→⓪

1=1×1→①

4=2×2→②

9=3×3→③

16=4×4→④

25=5×5→⑤

36=6×6→⑥

49=7×7→⑦

64=8×8→⑧

81=9×9→⑨

 

あとの90枚は下一桁の数が出てきます。

(1)は2、4、12、22、32、42、52、62、72、82、92で11枚

 

(2) 解法1

まず0~99までの下一桁の数をすべて足す。次に上の例外の数字を調整する

0+1+2+3+4+5+6+7+8+9=45

0+1+2+3+4+5+6+7+8+9=45

0+1+2+3+4+5+6+7+8+9=45

45×10=450

 

例外は10枚を調整

0=0×0→⓪ ±0

1=1×1→① ±0

4=2×2→② -2

9=3×3→③ -6

16=4×4→④ -2

25=5×5→⑤ ±0

36=6×6→⑥ ±0

49=7×7→⑦ -2

64=8×8→⑧ +4

81=9×9→⑨ +8

調整部分は±0なので450でよい。

 

解法2

労力を惜しまないなら、0~99まで100枚のカードで、仕組み1、仕組み2ででてくるカードをすべて書き出して足せば良いのですが、おそらく計算間違いするか、時間を浪費して終わってしまうでしょう。

0+1+2+3+2+5+6+7+8+3+

0+1+2+3+4+5+4+7+8+9+

0+1+2+3+4+5+6+7+8+8+

0+1+2+3+4+5+6+7+8+9=450

 

算数的な知識として1~10まで足せば55になることを知っていれば解法1がすぐに思いつく

かな。