しつけ(我慢)のバランス5 | 碓井法明オフィシャルブログ「本物をやろう!!」Powered by Ameba

しつけ(我慢)のバランス5

本来しつけとは我慢ができるように教えることである。

 

下記に紹介している著者の皆さんは、それぞれ違う分野の目線から、日本の子育ての環境や行く末をより良い方向へ導くために書かれておられる。読まれた方から「もっと早く知っていれば育児が楽しかったかもしれない。是非、広島で、この情報をこれから子育てをされる妊婦さんや、子育てて悩んでいる方に伝えてほしい。行動分析学をもっと学べる環境にしてほしい。」と言う声を聞いて私も読ませていただき、限られた文字数の中、牛田ニュースでお伝えしてきた。隠れた日本社会の問題が発生した原因や、3歳までの子育ての重要さである。

 

日本では戦前より、子供の自立や自律、自己抑制力を育てる育児法が当たり前であったが、戦後アメリカを追従した教育にプラスして、戦中・戦後の社会的混乱期に育った親の「子供達には貧しい惨めな思いをさせたくない」という気持ちが過保護や過干渉を加速させ、さらに日本が豊かになる程に子供達の我慢をする機会は失われていった。(過去記事2)

 

我慢する機会が減ると何が問題なのか?我慢ができない大人を見て育つ子供の姿は?戦後3世代目が子育てを初めている日本はどうなるであろうか。現在、脳科学の分野から証明されている、生まれてたった3年という短い期間に眼窩前頭葉皮質(過去記事3)を発達させる大切さを感じている。

 

 

 

今日は、虐待に繋がらない教育を行動分析学の視点から考えてみたい。

 

(行動分析学の考え方を詳しく学ばれると、子の事だけでなく、会社や家庭、人間関係が円滑になる方法や自分自身が願う行動に近づく事ができます。私は社会に出る前の学生も学ぶ必要があるのではないかと思います。下記に今回参考にさせていただいた著者と書物名を載せています。)

 

子育てで日常、親が困っている事(片付けをしない、座って食べない、しつこくせがむ、宿題や持ち物など学校の準備をしないなど)、気になっている事(友達をすぐに叩く、言葉使いが悪い、臆病で親から離れない、登校拒否など)、直したいクセ(指や爪を噛む、指しゃぶりをするなど)、思い通りに動いてくれない子に、親はイライラがつのる→叱ってしまう→さらにイライラ→その内子育てに自信をなくし、突然我が子を見て涙が出たり、子育てを諦め放任したり、罰的な強さが増したり、、、悲しい虐待事件は絶えない。

 

集合住宅の多い日本では、他の人に迷惑にならないように、虐待と勘違いされないように、子供を泣かせずに育てるしかない実情もある。小学校や幼稚園、保育園でも「先生の言う事を聞かないのなら廊下で立っていなさい」は虐待といわれる時代だ。

 

虐待につながらず子の良い行動を増やすために、我が子専用の技を身に付けよう。

3歳までの成長過程で習慣となった子の良くない行動の特徴は、心や性格、遺伝のせいではない。泣いたら抱っこしてもらえた。吐いたらピーマンを食べずに済んだ。甘えたら食べさせてもらえた。キレたら学校を休めて家で遊べた。など、子の行動によって環境(親)がどう対応し続けていたかで、その子の行動パターンが作られている。

子の技に親が引き込まれていませんか?

 

行動分析学は、その行動の直後、状況がどのように変化したのかをみるのがポイントである。大人も子も行動をとる理由や原因は①物や活動が得られるから。②注目が得られるから③逃避・回避ができるから④感覚が得られるから。この4つである。やって欲しい行動の直後に「子にとっていい事(親の賞賛など)」を伴わせ、やって欲しくない行動の直後に「子にとって嫌な事、面倒な事(場を離れる、家に帰る、指しゃぶりの後は手を洗う)」を叱らず涼しい顔をして伴わせていけば良いのだ。約束は有言実行だ。

 

行動分析学の奥田健次さんは、こう締めくられている。

子の基本的権利と特権は別物である。ルールを破ったから何日も食事抜きは虐待だ。健康に生きる上で必要な食事は子の権利であり、親が守るべき義務である。しかし、テレビやゲームなどの娯楽は特権であり子どもに自由に使わせる義務はない・・・。

 

医師の國米欣明さんは、

しつけで泣く事があっても、脳(心)には全く心配はないが、敵対環境などの虐待を勘違いをして「しつけ」をしなかったり、虐待をしつけだと言い逃れをするのは問題である。と仰っておられる。

 

私達は、頑張っている家族(親)が楽しく子育てができるよう、彼らの子供の脳と身体がしっかり成長を遂げれるよう、しつけ(我慢)のバランスの根拠をもって、隣近所や公園で困っている親へ応援の声かけや子育て案を提案していこう。そうすればもっと日本の子供が増え、隠れた日本の問題も解決できるのではないか。

戦時中に育った私たちだからこそ出来る社会貢献の1つだとも思う。

 

自立と自律を育てよう。

自律とは自分で自分をコントロールできる力である。

自立とは他社の助けや支配なしに自分の力で物事をやっていくことである。

 

 

もっと詳しく知りたい方へ

・國米 欣明 (著)

 その子育ては科学的に間違っています

 教えて!子どもの反抗期

・杉山 尚子(著)

 行動分析学入門

・奥田健次(著)

   メリットの法則「行動分析学・実践編」

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