しつけ(我慢)のバランス4 | 碓井法明オフィシャルブログ「本物をやろう!!」Powered by Ameba

しつけ(我慢)のバランス4

しつけとは本来、自分で我慢ができるよう教えてあげることである。しかし、我慢を教える内容は、子のやりたい事を諦めさせる、やりたくない気持ちを諦めさせてやるべき事をさせる、であり、”諦める・抑制・断念”といった言葉は、子育てには無縁で否定的でネガテイブな印象を感じさせる。

 

そして子育て中の親の感情に、子供を怒りたくない、ぐずらせたくない、泣かせたくない、我慢させることは今後、向上心や個性、親子の信頼関係が失われるという勘違いや子育ての自信を失う事につながる。

 

良いことは良い、悪いことは悪いと本気で怒り、やらないといけない事はやらせるべきだと分かっていても、グスられる方が嫌だ。ちょっとの事でも長泣きする子供の声に近所の人が児相へ電話する方が嫌だ。だから泣かすのをやめさせるために、子供のいうことをきいてしまうのも分かる。

 

遊びたいから帰らない。チャイルドシートに乗りたくない。

言うことを聞かない子供に涙が出るお母さん。他の人が言ったら、素直に動く子供を見て、また涙が出るお母さん。

 

子供は、親が怒らないと知ってしまうと、"ぐずればいつか必ず、親は僕の言うことを聞いてくれる"ことが分かってくる。

 

“本なんて読まなくても、子供を見ていたら分かるでしょう?” 子育て先輩の母親の言葉だ。ダメと言ったのに根負けして1つ許せば、子供はどんどん調子に乗り、小学生になれば力も強くなって、逃げたり暴力(暴言)で抵抗したりと親の言う事を聞かなくなるのは当たり前である。

 

眼窩前頭葉皮質の臨界期は0才~3才まで(過去記事3)。生まれた時から泣く事で自分の思いを叶えてきた健康な赤ちゃんが我慢を学ぶチャンスはどんな時だろうか?ミルクもオシメでもない、ずっと抱っこしてたのに洗濯や炊事をする為に離れると泣く。ちょっと我慢して待っててね。我慢して偉いね!待っててくれてありがとう!1才、お友達を噛んではいけません。2才、道路に飛び出したらダメよ。お菓子は買わないよ。自分でズボンを履こうね。ちゃんと座って食べましょう。”三つ子の魂百まで”経験則で伝えられた子育ての極意は今、脳科学の発達と共に証明されてきている。

 

子供が小さい程、我慢の内容は容易く親も教えやすい。子の言い成りにならず、言い聞かせ続けること。親と子の我慢比べなのだ。

 

子供は親の姿を見ているから、働いているいないは関係ない。余裕があり過ぎて子供を甘えさせてしまうこともある。

 

子供も大人も上手くいかなければ泣きたくなるし不貞腐れる時もある。そこから気持ちを入れ替えるまでの時間は、その人が我慢を乗り越えてきた分だけ短くなる。

 

”泣いてもすぐに行くな”は昔からの子育て術の1つ。

泣いている子の側にいると、親が何とかしてくれるだろうと期待をさせてしまうので泣く時間は長くなるが、赤ちゃんでも泣くのをやめて楽しい事を見つけようとするものだ。2才でも、ダメと言われて泣く姿を、少し離れて見守り待っていると、フッと泣くのをやめて靴を履いて歩いてくる。注射は嫌だと泣きながらも歩き、病院まで付いてくる。

 

抱っこやお菓子で子を泣き止ませるのは簡単だ。でも自分で泣くのをやめる、ぐずりはじめた原因である自分の気持ちを諦めさせる事を教えるには、少し離れた所で見守りながら子の復活を待つという親の我慢が必要になる。

 

2才までの間に、しつけは信頼関係のある親がする方が良い。我慢できた事を褒める。褒められた行動は頻繁に出て、基本的な習慣になるのだ。

 

“チャンスは平等、結果は不平等”と言われるように、自分は精一杯努力をしているつもりでも報われない事はある。けれど「何クソ!負けるものか!」っと諦めずさらに努力したり、その道は諦めて新しい選択から自分の幸せを手にする人はいる。悲しいのは、自分の思い通りにならない事を諦めきれず、怒りや嫉妬、不安など本能からくる行動を制御できず人間関係を崩し、引きこもりやいじめる側、犯罪者となることである。

 

我慢のない子は、人にも優しく出来ず、自分の失敗を人のせいにする。忘れ物をしたのは親のせいだ。やって出来なかったのは親のせいだ。自己中心的な大人にはなって欲しくない。3才を過ぎてしまっていたら次は8才になるまでにしつけをしよう。小学生になれば力も強くなって、逃げたり暴力(暴言)で抵抗したりと親の言う事を聞かなくなるからだ。

 

学校や社会に出た時、先生や先輩に怒られた。人間関係が上手くいかないなら辞めればいい。無断欠勤、登校拒否。ムカついたからと我慢が出来ず、人の物や命を奪うような自分優先しか生きることしかできない人が多くなると日本はどうなるだろうか?

 

子供の将来だけでなく、災害が身近に感じる今、”我慢を学ぶ”ことの大切さを感じる。

家での子がこんなことをする。困っていると、恥ずかしがらずに子育ての先輩や保育園の先生に相談をしてみよう。肩の荷も降りるかもしれないし、アイディアをもらえるかもしれない。

 

次回、虐待につながらない子育てについて考える。

 

もっと詳しく知りたい方へ

・國米 欣明 (著)

 その子育ては科学的に間違っています

 教えて!子どもの反抗期

・杉山 尚子(著)

 行動分析学入門

・奥田健次(著)

   メリットの法則「行動分析学・実践編」

   世界に1つだけの子育ての教科書

 子育てプリンシプル

 叱りゼロで自分からやる子に育てる本