北京オリンピック開催と原点回帰が必要な精神 | 碓井法明オフィシャルブログ「本物をやろう!!」Powered by Ameba

北京オリンピック開催と原点回帰が必要な精神

北京での第二十九回のオリンピック大会はこれまで最多の二〇四の参加国と地域から約1万六千人の選手役員が参加し、鳥の巣での開会式や閉会式も人力を動員した壮大な中華歴史絵巻と愛国心は大変華やかで見事なものだった。ただ、少女の口パクや偽造花火は問題だった。

今回のオリンピックはアヘン戦争以来の中国百年の想いがやっと実現する国家の威信を賭けた国威発揚の場であり徹底した厳重警備のもとに行われた。聖火リレーはチベットやウイグルなどの人権や民主化問題、大会期間中にロシアとグルジアとの紛争などオリンピックの祭典にあってはならない事件も起こった。とはいえ、水泳のマイケル・フェルプス(米)の8冠、陸上世界新のウサイン・ボルト(ジャマイカ)北島康介の平泳ぎでの2大会連続2冠、ソフトボール女子の金メダル等々中国を含む各国選手の活躍に惜しみない拍手を送りたい。

メダルの獲得数によって選手や国を評価するのはオリンピック精神に反する。ドーピング問題などメダル獲得のための肉体改造から改造人間にでもなれば大変な悲劇を生むことになる。

人間の人間による人間のためのオリンピック。人が人として「参加することに意義がある」そして己に打ち勝つことが大切だといったクーベルタン男爵の言葉は今のオリンピックのあり方に警鐘を鳴らしている。4年後はロンドンで開催されるが北京大会のスローガンであった「一つの世界・一つの夢」を実現し、今度こそ原点に返って真の幸せな楽しいオリンピックにしたいものだ。