1月13日決算質疑 | 碓井法明オフィシャルブログ「本物をやろう!!」Powered by Ameba

1月13日決算質疑

平成21年度(2009年度)決算特別委員会
全体会・総括質疑

広島市議会 自由民主党新政クラブ 碓井法明

平成23年1月13日(木)
10:00~ (120分)

※ 時間と内容について当日は変更される場合があります


はじめに

今年はうさぎ年ですが、世界も日本も誰もうさぎのように大きな耳で小さい事にも耳を傾け飛び跳ね飛躍する年であればと思います。どうぞ今年もよろしくお願いします。



1.2020年オリンピック招致検討事業などについてのこのたびの市長の見解について

 さて最初の驚きは、秋葉市長のこの4月の第4選不出馬。しかも、二元代表制の市議会での不出馬表明ではなく、4日の職員の年頭あいさつでされたこと。又、You tubeというごくわずかな視聴率しかないところでの表明、又一部の新聞社のみでの記者会見は117万市民の代表の市長としての表明をされたが問題があるのではと思います。
 とはいえこれまでの3期12年間の市長の活躍は平和核廃廃絶の、平和連帯都市市長会議の参加国都市の拡大など、マグサイサイ賞にも見られたように、又広島現市民球場の設立等大変な活躍をされたことは称賛に値すると思います。
 ところで平成21年度決算では約3094万円の予算が2020オリンピック招致検討事業として使われましたが、その使い方もさることながらこの度の市長の退任により今全市民いや全世界が関心をもっている「2020ヒロシマオリンピックやパラリンピック等の開催はどうなるのか」オリンピック賛成者にしてみれば、ハシゴをはずされたという思いです。私にしても先日2020オリンピック・パラリンピック招致の為のバレーボールの柳本晶一さんを呼んでの親子スポーツ体験フェアーには約3000人の方々に参加していただき、平和とスポーツの祭典を夢みる若者と子ども達が2020広島オリンピックやろうと宣言したばかり。
 
 市長はこのことをどのように考えられているか、又オリンピック開催の芽をばらまき、次の市長にオリンピックをたくしたいと言っておられるが、この2020オリンピック開催はどう思われているのか、又第4選不出馬の真の理由はオリンピック招致開催に関係あるのか、どうなのか、以上2点についてまず、二元代表制の市議会の中ではっきり答弁をお願いいたします。

(1)市長の政治責任について

 次期市長選に秋葉市長が立候補するかしないかは、本人が決めることであり議会が指図するものではありません。
 問題はやり残した重要案件を放り投げるような無責任な対応は許されないということであり、私はこれまでに市長はオリンピックと心中する覚悟はできているのかという質問を何度も確認してきたわけです。

 その最大の案件は、「広島オリンピックの継続性の問題」であり、残された任期において、どう決着を付けるられるのかお尋ねします。


(2)オリンピック支援者への責任について

 広島市オリンピックにエールを送っていただいてきたJOC関係者や体育関係者、応援自治体などからは、「広島市長というリーダーがいなければ広島市オリンピックは実現しないのではないか」という心配の声があがっています。

 市長はそうした多くの賛同者に対して、どのように責任あるお答えをなさるのかをお尋ねします。


(3)広島市民への責任

 広島オリンピックは市長の独断先行的に進められてきました。そのためオリンピックの中身よりもむしろ市長のスタンスに対する反発が大きかったのではないでしょうか。オリンピックの説明会も始まったばかりの道半ばでリーダーが辞めることに対して「オリンピックの件はいったいどうなったのか」というのが、多くの市民が抱く疑問ではありませんか。
「立つ鳥あとを濁さず」ということわざがありますが、こうした大多数の迷える市民に対して、市長はどのように誠意あるお答えをなさるのかをお尋ねします。


(4)伝達方法の責任について

 市長は立候補しないことをユーチューブに投稿され、それを見るようにとの点についても(IT知識が豊富な市長には普通の方法であっても)一般市民は、先般の「尖閣ビデオの漏洩事件」と同じような手法には到底ついていけません。今回は法的な問題はないにしても、ユーチューブではごく一部の人にしか視聴できないのではありませんか。
 どうしてあのような方法で伝達されたのかをお尋ねします。


(5)メディアへの責任について
 

 秋葉市長はオリンピックに関する最初の発信は2008年(平成20年)9月15日号の市民と市政」の市長日記に2020のオリンピックを広島・長崎共同開催を呼びかけ、又共同記者会見を2009年(平成21年)10月11日に行なわれ、2020オリンピックの招致検討委員会を発表され今日に至っています。そこでこの度3月の退任にあたっては、最初のオリンピック発信が市民と市政の市長日記であることから、市民と市政を通じてやめる理由やオリンピック推進に見解を述べる必要がありませんか。また共同記者会見も必要ではありませんか。この件についてお答え願います。

 市長は「メディアがこれまでに自分の意思とは異なる報道をした」という主旨のことを述べておられます。そのこともあってか、現在マスコミの共同記者会見には一社を除いて応じないとされていますが、きっちりと市民やマスコミに対して2020のヒロシマオリンピック開催について見解を述べられた方が良いと思います。
 確かに今回のオリンピック報道においては、メディアのマイナス報道によって、市民の反対意見がどんどん増加してきました。私もメディアの目に余る報道姿勢には、大きな疑問を感じてきました。

 私は、市長が疲れたとされる理由の一つがこのメディア対応ではなかったかと推察しています。
市長は、なぜメディアの誤った報道を指摘し、更なる是正への努力をされなかったのかをお尋ねします。ここは具体例での回答をお願いします。



(6)最大の懸念

 広島オリンピックの旗を降ろすとどうなるか。広島市が来るべき道州制時代に向けて、内外の確固たる地位の獲得を二度とない絶好のチャンスを広島市が「自らの手で失う」ことになれば、これは再起不能ともいえます。
 今回は、応援決議までしてくれた我が国の政令市や多くの賛同自治体、多数の国民をどんなにか落胆させることになります。その後遺症は大きく、広島市の将来性にも深い禍根を残します。
 こうした由々しき事態について、どのようにお考えかお尋ねします。


(7)チャンスの到来

 たしかに巷には秋葉市長の不在でオリンピックの誘致が心配という声があります。しかし、私の思いは違う、むしろチャンスの到来だと思っています。
 これまでに、オリンピックの反対意見の多くは「市長の独断先行に反対」していたのであって、「本気でオリンピックがやりたくない」のではなく、賛否の背景には「「反・秋葉」という不幸な対立構図があったと思われる。
 要するに、この度の市長の不出馬宣言によって、この対立構図はものの見事に解消したのです。私は、反対派議員の多くが、今後は賛成派に転換されることを期待しています。
 つまり、やっと「市長のオリンピック」ではなく、我々自身つまり「市民による市民のためのオリンピック」という「発想の原点に帰ることができた」ことを喜びたいと思います。そのためには、「広島オリンピックの原点」を議論する場を設けていただきたい。この可否ついてお尋ねします。


(8)今日という時代認識

 近年の日本の閉塞、そして広島の停滞、このような八方ふさがりとも言える「希望喪失の時代」にあって、我々はいったいドウすればよいのか?
今年は元旦いらい、多くの有識者が指摘しているように、もはや国政や景気のせいに責任転嫁しても実は何も解決できない。となれば、各自が自ら行動し、挑戦することで切り開いていく以外に解決策はありません。
我々広島市民は、そうした時代認識において、「広島オリンピックをドウ捉えるべきか?」という点についてお尋ねします。


(9)財政力の強化を

 一部にオリンピックによって、財政が赤字になるという意見があるが、私は
逆で、むしろ財政力の改善には、地域の経済活動を高め、若者を強力に引き付けるような政策が不可欠だと考えています。
 反対派の主張される、「広島オリンピックで財政が行き詰まり、市民生活に影響が出る」のではなく、「広島オリンピックで経済や文化、観光などの飛躍的な発展の道筋を付け、豊かな生活や経済を獲得しよう!」というのが、真の狙いなのです。。
広島オリンピックの最大の受益者は広島市民です。オリンピックによって、一番おいしい美酒を飲めるのは広島市みんなのである。私は、「広島市民が幸せになるオリンピックでなければ、広島でやる意味がない」と言う主張を何度も言ってきました。
つまり、広島オリンピックを、「単なるスポーツイベントとして捉えるのではなく、この地域の活性化の起爆剤となるように企画すべきである」と私は考えていますが、こうした認識についてお尋ねします。


(10)オリンピックの代替案は


 市民には「オリンピックをするお金があったら、もっと別の投資をせよ」という声があります。しかし、オリンピックほどのインパクトある事業を外して広島にどのような事業が可能なのか、あえて逆質問をしたい。そこで納得できる代替案が提示いただけなければ、私には広島オリンピックを絶対に取り下げることはできません。
こうした理解と認識について、お尋ねします。


(11)広島での実現性

 広島クラスの都市ではオリンピックは無理との声がありますが「そこをやって見せよう」というのが、広島オリンピックへの挑戦ではないでしょうか。過去にはアテネ75万人やバルセロナ160万人はそんなに大都市ではないが、できているではありませんか。
 広島では本当に無理なのか、その対応策についてお尋ねします。


(12)財政赤字が心配

 財政赤字の心配も多く聞かれます。財政が赤字になるようなオリンピックはやらない! 従来路線のような華美なオリンピックではなく、古代オリンピックをモデルとする簡素にして中身のある「広島型のオリンピック」をやればよい。そのためには、無駄なコストを見直し、費用負担のあり方や、民間活力を導入すればよい。そうすれば十分に実現できます。
 こうした広島型オリンピックの考え方にについて、検討や説明が不十分だと思うが、その辺の認識についてお尋ねします。



(13)平和と経済の両立を

 広島市が、「オリンピックのためにエネルギーを使うよりも、平和の推進とか、市民が幸せに暮せるような行動を」という声があります。
言うまでも無く、広島には世界の平和貢献への責務があります。しかしながら、長らく広島は、平和か、経済かという二者択一を迫られ、「平和ではめしが食えない」という永遠の課題を抱えていました。平和貢献には色々な方法がある中で、「広島型オリンピック=平和の祭典」という崇高な理念を、とことん追求し、「世界に向けて最大級のアピール」の機会とします。
 つまり、広島が「平和」というカードを最大限、有効に発揮できるイベントこそが「広島オリンピック」であり、そのオリンピックでもって「経済や文化、観光などの飛躍的な発展を図ろう」というのであるから、「平和」と言うカードを使って「広島のジレンマ」を解決するのが「広島オリンピックの誘致」です。
こうした理解と認識について、お尋ねします。


(14)再確認したい

 この国も広島も希望喪失の現在、広島オリンピックこそが「この国と広島に活力を与え、次代を担う若者達に夢を与える」と私は確信しています。私を含めて高齢者がこうした夢を封じてはいけないと思っています。
 そこで市長が立候補しない宣言をされた現在、もう一度スタートの原点に返って、これまで十分に議論しなかった「広島オリンピックの意味」を問い直すべきである。急がば回れという、まさにそのチャンスがこの時期に到来したと考えます。
 (くどいようですが)こうした「広島オリンピックの意味」を問い直す、徹底審議の場の約束について、再度確認します。


(15)平成21年度の広島西飛行場管理運営費の決算額について
  
 次に西飛行場の存続問題、新幹線口開発など3月の退任までにこれらの問題をどのように勧められるのかお尋ねします。
 特に昨年の暮れに出された平成21年度の広島西飛行場管理運営費決算額は、収入約4231万円に対し、支出が4億6495万円で、差引約4億2310万円の赤字でした。この赤字を補填するために広島市は2億1132万円もの負担をしています。この問題についてどのようにお考えかお答え願います。



2.平成21年度の決算と不正経理の問題点について

(1)平成21年度決算を質疑する前提として

 広島市の不正経理が国の会計検査院から指摘され、これまでの広島市の決算はどうなっているか、これまで不正経理について議論されたが、未だ不明確なままです。議会は、市長から提出のありました決算書等について住民の代表として予算の執行が適正に行われたかどうか、収入が適正に確保されたかどうか等について 大局的見地から審査する必要があります。
議会は決算審査の結果、予算を正当に執行した決算として、認定できないという結果論に達したときは、当該決算の認定をしないことができると言っていますが、この度の平成21年度決算には不正経理があり、このことが適用されると思いますが、決算の定義はどうなっているのかお尋ねします。 

 今回の決算委員会が1月13日まで延期された理由は、これまでの広島市議会の歴史になかった広島市の不正経理に端を発しています。次に、今回の平成21年度の決算報告には、不正経理に係る金額は反映されているかお尋ねします。
当然、不正に係る金額が反映された決算報告ではありませんよね。不正が明らかになったにも関わらず、不正の金額が織り込まれていないのであれば、提出されている決算関係の報告書が正しいものとは言いがたい状況にあると思いますが、どのようにお考えかお答え願います。

 仮に正確な決算状況を表していないと認めるならば、まず、決算報告を修正し、報告すべきであると思います。どのようにお考えかお答え願います。


(2)財政局が平成21年度の決算について修正できないと言っていることについて

 財政局のほうでは、不正があっても平成21年度の決算の修正はできないと言っているようです。財政局が決算の修正できないという根拠として「地方自治法」を持ち出しています。
 確かに「地方自治法」の第235条の5項には
 
「普通地方公共団体の出納は、翌年度の五月三十一日をもって閉鎖する。」

となっています。この条文の解釈は、「5月31日の出納閉鎖を厳守しなければ、違法である」ということです。おそらく、財政局はこの条文の解釈を前提に修正はできないものであると言ってるのではないかと思います。どのようにお考えかお答え願います。
 確かに原則はそのとおりでしょう。ただ、「逐条 地方自治法 第5次改訂版」を見ますと、そこに第二百三十三条の「決算」に係る行政実例による解釈と運用が記載されています。それによると

「(最終的に議会が)決算認定後、当該決算内容に誤謬があり、その結果決算金額に異動が生ずる場合、長は決算内容を修正の上再び議会の認定に付することができると解する」

としています。つまり、これは決算に間違いが見つかれば、既に議会で承認された内容であっても市長は決算内容を修正して改めて議会の認定を受けることができるということではありませんか。お答え願います。
議会の二元代表制と議会は市民の代表と言うことで、議会の承認を受けた方が良いのではないかと思うが、どうかお尋ねします。


(3)一般企業であればどうするのか 

 今回のような不正が明らかになった場合、一般企業であればどうするのかご存知でしょうか。
 一般企業であれば、上場大企業であれ、中小企業であれ、不正は当然のこと、間違い、ミスであってもそれが分かった時点で、その不正、間違い、ミスがあった年度にまでにさかのぼって修正を行わなければなりません。それが10年前のことであっても10年前にさかのぼります。
 上場企業であれば修正した決算報告は「訂正有価証券届出書」という形で再度公表も行います。これは次のように金融商品取引法において厳しい規定が設けられているからです。

「(虚偽記載等による訂正届出書の提出命令及び効力の停止命令)
第十条  内閣総理大臣は、有価証券届出書のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けていることを発見したときは、いつでも、届出者に対し、訂正届出書の提出を命じ、必要があると認めるときは、第四条第一項から第三項までの規定による届出の効力の停止を命ずることができる。この場合においては、行政手続法第十三条第一項 の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。」

またそれは出資している株主への責任が非常に大きいことも意味します。
 まして市民から税金を徴収して行政を行う役所が、間違いがあればそれを訂正するのは当たり前であり、その当たり前の手続きがなぜ広島市ではできないのかお聞きしたい。


(4)修正できないのであれば、仮に修正した場合はこうなりますという報告書を作成すべき

 本来、市民に対し議会に認められた正しい決算報告を出すのが当たり前ですが、それができないというのであれば、仮に決算を修正したら、正しい決算書はこうなりますという報告だけはするべきではないでしょうか。
 それすらもすることができないと言うのでしょうか、お答えいただきたい。
 今回、私は広島市に対し、何度も不正額を加味した決算額を出すように求めました。しかし、広島市はできないの一点張りでまったく作成しようとしませんでした。
 そのため、こんなことは簡単にできることを証明するために私のほうで独自に局別の不正額を反映した平成21年度の収支を作成してみましたのでご覧ください。表の数字が細かくて見にくいかもしれませんが、よろしくお願いします。
 作成するにあたって今回は広島市の各局の歳入と歳出決算額を入れています。
また決算金額は、局別の歳入歳出の金額をベースに作成していますが、「平成21年度 歳入歳出決算資料」の金額と一致しています。ただし、「予算現額」、「調定額」、「不能欠損額」、「収入未済額」、「収入済額中還付未済額」、「翌年度繰越額」、「不用額」、「翌年度繰越分充当財源」については、各局別の金額が得られなかったので、合計額のみを「合計欄」に記載しています。
 また、今回の不正経理に係る金額は虚偽記載により需用費が支払われており、本来そうした需用費は支払われてはいけないという観点から、不正金額を「差引額 E」に戻すことで「実質的な差引額 L」を算定しています。
 また、今回の不正は企業会計の下水道局、水道局、病院事業局でも行われていることから、事業会計と財産区分会計を含む普通会計に加え企業会計の決算額も加えています。
 広島市が提出した資料によれば企業会計を含む実質収支は「実質収支のE欄」の△175億4344万円です。
 今回、発覚した平成21年度の不正金額は4187万2,535円ですので、これを加味した平成21年度の「実質収支」は「L欄」の△175億157万1,274円となります。
 確かに全体の中に不正金額を加味しても大きく金額が変わるものではありません。しかし、私が言いたいのは金額の大小に関わらず、きちんと正しいことを行っていくのが行政の努めであると考えます。そうした観点に立てば、金額が大きい小さいが問題ではないのです。間違ったことはうやむやにせず、正すという姿勢がこれからの行政に求められるのではないでしょうか。
私達の調査によれば、平成21年度の普通会計、事業会計、財政区分会計及び企業会計の全体の実質収支が△175億157万1,274円になるが、財政局ではどのような数字になるか、お尋ねします。



3.不正経理のあった監査事務局のあり方について

 本来、監査には健全な財政運営のための評価機能と不正摘発という2つの大きな役割があると考えます。しかしながら、健全な財政運営のための評価機能としての役割については、これまでも予算査定や最近では事業仕分けなども行っているはずであり、行政コストの観点から言えば重複しているのではないかと思います。平成21年度決算では、監査事務局の経費がいくらかをお尋ねします。

 コストの観点から見れば年間約3億円もの予算を使ってどのような成果を出したのでしょう。不正を摘発するどころか監査事務局そのものが不正を行っている始末です。(平成21年度には不正は0円ですが、平成16年度207,689円、平成18年度には139,851円、合計で347,540円あります。)
 また、監査を行うにしても、そもそも4名の監査委員では人員数が少なすぎ、また、監査の専門的な手法も身につけていない委員もいることから監査が有効に機能していないのではないかと考えます。特に4名の監査委員のうち議員が2名入っていますが、議員は議員としての本来の仕事があり、専属で監査委員としての業務をこなしていくのは無理があると考えます。

 やはり、監査については公認会計士を中心とする外部の監査法人や専門機関に委託するほうがよいのではないでしょうか。実際、外部に委託すれば3億円もの予算を必要とせず、その3分の1程度の経費で適正な監査を受けることができるのではないかと考えますが、この点についてお答え願います。

 特に不正摘発の機能としての役割は、外部への委託のほうがその専門性と客観的視点から厳しいチェックが入り、今回のような不正経理は防げたのではないかと思います。



4.徹底した行財政改革で人件費の削減を

 次に決算金額を絡めて大きな観点からいくつかご質問させていただきます。

(1)平成21年度の人件費について
 
 人件費の削減については、これまでの当局におかれては、大変努力しておられるのはよくよく承知しているが、この度の不正経理では人件費を人事部をつかさどる企画総務局や人事委員会においても、これまで平成21年度は500,044円、平成18年度247万6,737円、平成16年度125万5,419円、不正総額は423万2,200円にのぼっています。
このことは、人事部として率先して正義の為に予算の執行をしなければならない立場にあると思います。
 
 そこでお尋ねするが、今後、広島市において人件費抑制についてどのような計画をお持ちなのか、お答え願います。

 「平成21年度広島市各会計歳入歳出決算及び土地開発基金運用状況」審査意見書の25ページを見ますと、一般会計の性質別歳出の決算状況が記載されています。
 この中で投資的経費に係る人件費を含んだ人件費の合計は約886億円で、歳出合計の割合で言うと15.5%を占めています。

 昨年と比べても人件費が約2億3000万円増加しております。この増加額は、昇給等によるものなのか、職員数増加によるものなのでしょうか。
 仮に昇給等によるものであるなら、今回の不正の責任の件もあわせて、次年度は昇給等による増加を抑制することを検討する必要があると思われますが、いかがでしょうか、お答え願います。

 また、職員数の増加であるなら、いったいどこの部署(又は機関)になんのために増員したのかお答えいただきたい。

 昨今、事業仕分けなどで無駄をできる限りなくしていくことが国民や市民から望まれています。そのような中、昇給や人員増による人件費の増加が許されるものでしょうか、お答え願います。

 本当に必要な所に、本当に必要な金額だけ税金を投入していかなければ行財政改革は進まないのではないでしょうか。お尋ねします。

 実際、今の人件費率15.5%が本当に適正なのかどうか、本当に昇給や人員増が適正であるのかどうか、改めて検証し、将来的には今の人件費の10%(年間約88億円)はカットできるよう計画を立てていただきたいと思いますが、そのような目標を立てることは可能かどうかお答え願います。

 また、人件費についてですが、ホームページで平成21年度(2009年度)広島市財務書類・・・基準モデル(概要版)が公表されています。
 この中の行政コスト計算書の人件費を見ますと、連結ベースで1363億円計上されています。仮に連結ベースで人件費10%削減に取り組めば、約130億円人件費をカットできるということになりますので、連結ベースでの人件費削減に取り組むことも検討していただいたいと思いますが、これについてどのようにお考えかお答えいただきたい。


 今、各地方自治体でこうした職員の人件費削減の取組みが進められています。広島市でも大阪府や名古屋市に見習い、人件費削減への取組みを本気で進めていく必要があるのではないでしょうか。平成21年度の広島市の人件費合計886億円から10%を削減できれば、年間約88億円の資金を生み出すことができます。これは現在広島市がオリンピックを開催した場合に必要な予算52億円を十分にカバーできる金額です。また、毎年88億円の資金を生み出せば、オリンピック開催までの10年間で880億円が生み出されることになり、寄附による1000億円のうち9割近くカバーできるのではないでしょうか。お尋ねします。
 

5.不正経理を防ぐための自治基本条例の制定と単年度会計をバランスシートを含む企業会計システムにして

 
 昨年12月議会改革として議会基本条例が策定されベースとなる条例が整備されました。今後この議会基本条例をさらに発展させ不正を防ぐシステムにしていく必要があります。また、同時に広島市の自治基本条例においてもこの度のような不正経理が発生した以上、市民の立場から不正をなくすための自治基本条例がいるのではないかと思いますが、この点についてどのようにお考えか、お答え願いします

 又、公的機関の一番の問題である単年度収支における予算準拠主義の考え方を改める必要があります。単年度収支では、予算が割り当てられた部署は予算を使い切らなければ次年度予算が減らされるだけです。
 一般企業であれば予算をできる限り節約し、同様の効果を得られればその部署や社員は評価に値し、その会社の発展に貢献したことになります。そういった意識が公的機関にはないのが問題です。
 なぜ公的機関に節約志向が生まれないのか。
 それはストック(資産と負債の管理)と損益の概念を持たないからです。ストックと損益の概念がないのは一般企業会計で行われているようなバランスシート(貸借対照表)と損益計算書というものが存在しないためです。バランスシートはその企業が今現在、いくらの資産と負債があるのか示し、また損益計算書はその企業が現在、黒字なのか赤字なのかはっきりと示す最も重要な指標す。そのため、ある部署又はある社員が節約に成功すればそのまますぐにそれはバランスシートと損益計算書に反映され、その部署又は社員の評価につなげることが可能となります。
 しかし、バランスシートや損益計算書をもたない公的機関はあくまで予算の執行状況でしか会計を見ることができず、当然、ある部署が節約してもそれがどれほどの効果を生んでいるのかわかりません。すなわちその部署を評価することができないのです。
 もちろん、予算に基づく会計が悪いわけではなく、企業も予算の執行状況は常に把握して経営を行っています。しかし、予算の執行状況と合わせて損益の状況を把握することで、経営を行っているのです。
 公的機関にストックと損益の概念がなければ、予算の執行こそが絶対であり、予算の確保のために本来あってはならない不正が行われている現状があるのではないかと考えます。
 
 市長は現在の単年度収支における予算のあり方についてどのようにお考えかお聞かせ願いたい。
 
 今回の不正には単年度収支おける予算準拠主義がその根っこにあります。やはり、バランスシート(貸借対照表)や損益計算書を機軸にした企業会計を取り入れていくべきではないかと考えます。平成20年度より広島市でも総務省から示された基準モデルをもとに財務書類を作成することになったはずです(発生主義会計と複式簿記による貸借対照表を含む財務書類)。
 その後、どうなっていますか?今後、いつから発生主義会計と複式簿記を導入していくのかお答え願います。
平成20年度に作成した基準モデルに基づく財務書類はおそらく単式簿記をベースに1年間の活動を集計し、これを基準モデルに組み換える方法で作成した書類ではないかと考えます。
 そもそも、単式簿記を主体とする公会計では、数字からはほとんど何も読み取れません。読み取れるのは予算が執行されているかどうかだけです。ほとんど読み取れないということは何にお金が使われているかもよくわからないし、いくら黒字なのか赤字なのかもわかりません。
 これに反し、複式簿記を主体とする企業会計は、できる限り会社の状態を把握できるよう構築されており、損益の意識が自然と社員に浸透できるようになっています。そのため、社員はお金を使うことよりも、お金を節約して最大の効果を得る努力を惜しみません。
 一方、公的機関の職員は損益の意識が芽生えないため、予算を使い切ることに努力をします。
 たとえば、東京都は、こうした単式簿記の弊害をいち早く察知し、独自に企業会計に基づく会計方式を採用し、会計を行っています。
 
 このように予算を志向とする考え方から損益や資産の管理という観点から物事を考えられる会計手法を導入しなければ、今回のような不正はなくならないのではないかと考えますが、この点についてお答え願います。