【世界の被爆者のために医療的サイドの原爆白書を】 | 碓井法明オフィシャルブログ「本物をやろう!!」Powered by Ameba

【世界の被爆者のために医療的サイドの原爆白書を】

あの不気味なきのこ雲から黒い雨が降って六十年。ヒロシマは今年も悲しみのうちに原爆の日を迎えようとしている。

 しかし、核実験抗議電報は相も変わらず打たれている現状。第三世界では核武装の動きさえ見られ、地球環境はますます危険な状態にある。核廃絶への道は、人類生存にとって不可欠なものではあるが、依然として険しいと言わざるをえない。

 平和シンポジウムも色いろと行われているが、肝心なのは市民あっての平和シンポジウムであるという認識である。市民抜きの国際会議は、平和行政の形骸化につながる恐れさえある。

 一九八六(昭和六十一)年四月のチェルノブイリ原発事故は史上最悪の事故となったが、皮肉にもヒロシマの蓄積した医療データが役に立っているらしい。ヒロシマ、ナガサキは人類が大量被爆した初のケースであり、長期に渡って追跡調査が行われてきた。結果、放射線が引き起こす障害について、優れた治療研究の蓄積が進められたのである。世界の被爆者のために大いに役立ててもらいたい。

 広島にある放影研や原医研、原爆病院、健康管理センター等は、被爆者の研究や治療、検診で豊富な実績を持っている。これらの機関が縦横に連絡を取り合い、広島市も加わって被爆者医療研究協議会を設置し、医療的サイドでの被爆者の実態、調査研究を総括した原爆白書を作ったらどうだろう。



 一九九〇(平成二)年八月にイラクがクウェートを侵攻したことにより、翌年一月、米軍中心の多国籍軍が出撃、イラク軍との戦争が勃発した。いわゆる、湾岸戦争である。この時にテレビに映し出された映像は、とても強烈だったのを覚えている。まるでSF映画のシーンのごとく飛び交うミサイル、石油にまみれた鳥たち、逃げ惑う一般市民…地球上で実際に起こっている場面なのだが、テレビを通して観ていると、作り物のように錯覚しそうで怖いなと感じたのは私だけではないはずだ。「たいまつ」でも湾岸戦争を取り上げている。