【国連軍縮ヒロシマ会議の意義】 | 碓井法明オフィシャルブログ「本物をやろう!!」Powered by Ameba

【国連軍縮ヒロシマ会議の意義】

平和公園に隣接する広島国際会議場において、一九九二(平成四)年六月十五日から十八日まで、国連軍縮会議が開催された。このヒロシマ会議には、アジア太平洋を中心とした二十三カ国から六十九人の政府関係者や軍縮問題専門家が参加した。

 核兵器廃絶をめざす広島市にとって、軍縮会議メンバーが原爆資料館等を訪れ、被爆の実相に触れたことは大変意義があったと思う。「百聞は一見に如かず」という。今回の経験により会議メンバーは、核兵器の恐ろしさを改めて肝に銘じたに違いない。

 軍縮会議の全体会議では、「大量破壊兵器の不拡散」および「アジア太平洋地域における対話の開始と信頼醸成措置」をテーマに話されたが、やはり朝鮮半島情勢やインド・パキスタン等の紛争防止についての議論もあった。たまたま私は、前年に朝鮮人民共和国(北朝鮮)に行き、三十八度線の板門店を互いの立場から見る機会を得ていたので、韓国と北朝鮮の南北統一がいかに厳しく困難かがよく理解できた。

 今回の会議で、ヒロシマの悲願である核廃絶がテーマにならなかったことは残念だったが、国連が被爆地で初めて開く軍縮会議の意義は極めて深いものがあったと思う。懇親会の席で平岡広島市長が国連軍縮部長・ダビニッチ議長に「アジア太平洋地域の安全保障の場を広島が提供する構想」を話したら、十分に検討することを約束してくれた。改めてこの会の意義を心ひそかに喜んでいるところだ。