AGA治療革命より引用 86

シャンプーについて

アミノ酸系のシャンプーで頭皮も毛髪も優しく洗いましょう
値段の高いシャンプーを使っていれば脱毛・薄毛が予防できるわけではありませんが、脱毛・薄毛が気になり始めたらシャンプーにもこだわりを持ってください。
洗髪はいまや誰もが毎日のように行う習慣です。小さな違いが塵ちりも積もれば山となり、大きな差が出ることも考えられます。
安価なシャンプーには、洗浄成分としてラウリル硫酸ナトリウムが入っているものも少なくありません。ラウリル硫酸ナトリウムは、歯磨き粉や台所用洗剤などにも配合されている界面活性剤です。
シャンプーの何らかの成分が、毛包深くまで浸透して毛乳頭細胞や毛母細胞にダメージを与えると心配する人もいますが、それは医学的に証拠のある話ではありません。

それより問題なのは、ラウリル硫酸ナトリウムにはタンパク質を変性させる働きがあり、毛髪表面のキューティクルにダメージを与える点です。実際、ネイルケアの必須アイテムの一つであり、毛髪と同じくキューティクルからなる爪の甘皮を柔らかくして剥がすキューティクルリムーバーには、ラウリル硫酸ナトリウムが配合されています。
キューティクルが壊れると髪の毛が細くなるため、薄毛がより気になるようになります。ですから、脱毛・薄毛を心配している患者さんに、私は毛髪に優しいアミノ酸系のシャンプーをお薦めしています。
どのようなシャンプーを使うとしても、丁寧なすすぎをお忘れなく。たとえアミノ酸系のシャンプーでも、すすぎが不十分で成分が頭皮に残っていると、接触皮膚炎を起こし、脂漏性皮膚炎（71ページ参照）に似た症状が出ることもあります。

洗髪後、頭皮の皮脂が完全に洗い流されて潤いを失っていたら、アルガンオイルや椿つばきあぶら油などの天然の植物オイルで保湿してください。アルガンオイルは、モロッコ原産のアルガンツリーの種子から抽出される良質なオイル。私も使っています。
洗髪といいますが、洗うべきなのは毛髪ばかりではありません。健全な毛髪を育てる土壌となるのは頭皮ですから、頭皮もよく洗ってヘルシーに保ちましょう。
爪を立てると頭皮を傷めますから、柔らかい指の腹を使いながら、頭皮をマッサージするように優しくクレンジングしてください。血行が促されて育毛・発毛環境が整います。薄毛が進行している人は、髪の毛の上で泡立てる必要がない、プッシュタイプの泡シャンプーを使うのも良いでしょう。
カラダを洗うボディソープと顔を洗う洗顔料を使い分けるように、本来なら毛髪用のシャンプーとは別に、頭皮クレンジング用のシャンプーを用意すべきでしょうが、それにはお金も手間もかかります。
そこで役立つのが、マイクロバブルと呼ばれる非常に細かい泡が出せるシャワーヘッド。先駆けとなったのは、サイエンスという会社が発売しているミラブルという商品。テレビＣＭでもおなじみです。その商品開発の原点は、取締役会長の娘さんが強度のアトピー性皮膚炎で肌が弱かったことにあるとか。肌を強くこすって洗えない娘さんのために、精密機械の洗浄に使われていたマイ
クロバブルの技術をシャワーヘッドに応用したのだそうです。
私はこの優しいエピソードに惹かれてミラブルを購入して、家族全員で愛用しています。汚れがひどくない日なら、お湯だけで洗う「湯シャン」で毛髪も頭皮もキレイになることを日々実感しています。

節水にもなりますから、気になる方は試してみてください。