AGA治療革命より引用 85

ミネラルで大切にしたいのは、亜鉛と鉄。

亜鉛は、新陳代謝に不可欠なミネラルとして知られています。毛母細胞が活発に細胞分裂する際に欠かせません。
亜鉛は１日に成人男性で11・０㎎、成人女性で８・０㎎の摂取が推奨されています（出典：厚生労働省『日本人の食事摂取基準（２０２０年版）』）。亜鉛は日本人に不足しやすいミネラルの一つであり、成人男性の１日の摂取量は９・２㎎、成人女性で７・７㎎に留まっています（出典：厚生労働省『令和元年国民健康・栄養調査』）。
お酒を飲む人は、亜鉛不足により注意が求められます。お酒のアルコールは、肝臓の酵素で代謝されます。このときに亜鉛が浪費されるため、お酒を飲みすぎると亜鉛が失われやすいのです。お酒は適量を守りましょう。

亜鉛は、牡蠣、カタクチイワシ、牛肉、パルメザンチーズ、抹茶、アーモンドなどに含まれ
ています。これらの食品を意識して摂ってください。

最後に登場するのは、鉄。鉄は、赤血球中で酸素を運ぶヘモグロビンの成分。ヘモグロビンは、タンパク質と鉄が結合したものです。育毛・発毛を推し進める毛乳頭細胞にも毛母細胞にも、酸素が欠かせません。どんなに深呼吸をしても、鉄が足りないとヘモグロビンの活動が弱まり、酸素の供給が制限されるため、毛乳頭細胞や毛母細胞の活動が滞ることがあります。だるい、疲れが取れにくい、階段などで息が上がりやすいといった自覚症状がある場合、鉄が足りない「隠れ貧血（潜在性鉄欠乏性貧血）」の可能性もあります。海苔などの海藻類、シジミやアサリなどの貝類、鮎、カタクチイワシ、レバーなどから鉄の摂取を増やしましょう。

番外編として日本人に馴染みの深いある食品が、育毛・発毛に役立つ可能性について紹介しましょう。そのある食品とは、わさびです。本わさびの根茎部分には、ヘキサラファン（６ ― ＭＳＩＴＣ）というフィトケミカルが含まれています。フィトケミカルとは、植物がつくる有用成分の総称。お茶のカテキン、赤ワインのアントシアニンなども、フィトケミカルです。わさび商品のパイオニアである金印の研究によると、ヘキサラファンには育毛作用があるそうです。わさびの育毛・発毛効果を期待するなら、刺し身などを食べる際、本わさびを買ってすり下ろして使ってください。常温タイプのチューブ入りのわさびでは、原材料に根茎部分がほとんど含まれておらず、本わさび以外に西洋わさび（ホースラディッシュ）などが多く入っているため、育毛・発毛効果はあまり期待できないのです。