映画「かくかくしかじか」の感想 | 文化の海をのろのろと進む

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 うしずのです。

 

 今回は映画「かくかくしかじか」の感想を書かせて頂きます。

 

 予告編が泣ける映画アピールし過ぎていて嫌だなとは思ったのですが、良い映画そうではあるので観たいなと思っていたんです。

 それと主演の永野芽郁さんが週刊文春に不倫疑惑の記事を載せられて、それを受けて一部ネット民がヒステリックになって炎上させているのが不快で、永野さんを応援したくなったのもあって観てきました。最近の一部ネット民がイジメをエンタメ化しているの本当に気分悪いですよね。

 6月8日に映画館に行ったら、日曜日で上映が一回だけというのもあるのかも知れませんが約120席あるシアターがほぼ満席状態でした。私が訪れた横浜の片隅のシネマコンプレックス内の映画館には不倫疑惑も炎上も気にしていない観客がそれだけの数いたのでした。


 前置きが長過ぎました。感想です。ごちゃごちゃしそうなので久しぶりに見出しを入れます。



演出について
 

 主人公が絵画教室に初めて訪問したシーンはちょっと笑いの押しつけ感があって私は苦手でした。
 後半は作品のトーンがかなり変わって、別の映画を観ているみたいでした。前半はギャグで覆い隠していた作品の核が後半は剥き出しになっていたのでは?と思います。観ている時は違和感があったのですが、思い返すと愛しい不器用さに見えます。



キャストについて

 永野芽郁さんの演技とても良かったです。ちょっとダメな所もあるけど憎めない、そしてエネルギッシュな主人公を活き活きと演じていました。
 ただナレーションはもうちょっと声に感情を滲ませて欲しかったなと私は思いました。


 主人公の恩師役の大泉洋さんは真っすぐで不器用な男を好演されていました。常識外れな行動に笑える場面もありましたが、コメディーとしての笑いはありません。コミカルでない大泉さんも良い。いや日高先生を大泉洋さんが演じてくれて良かったと思います。とても良かったです。



 有田哲平さんがおっとりして楽観的な美術教師を演じているのですが、温かみと可笑しみが感じられ出番は多くないですが存在感がありました。


 大森南朋さんと、MEGUMIさんが主人公の両親を演じているのですが、このお二人も良かったです。特に娘の原稿制作を手伝おうとしてドタバタになるシーンは声を出して笑ってしまいました。



総評

 正直「日本の商業映画」という枠の中に納まって、突出した所は無い様に思います。
 しかし、この映画は人への愛が感じられます。陽気で笑える反面、愛するが故の後悔や苦い想いが底に流れている。私はこの映画好きです。

 

 

 

 

 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。