くもりぞらの詩 ふたつ | 文化の海をのろのろと進む

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本、映画、演劇、美術、音楽など、ジャンルを越えて扱う雑食文化系ブログです。更新はマイペースです。雑誌を読む様な気持ちで楽しんで頂ければ幸いです。

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 うしずのです。

 

 

  ある曇りの日に知人と「雨」を歌った曲は結構あるけど、曇り空の曲はあまり無いという話で盛り上がりました。

 ならば曇り空の詩を書いてみようと思い、作ってみました。




こころのくもりの


質の悪い再生紙の様な雲
空を隠して
寒くも温かくも無い風
花びら一枚
もぎりとって行った
再生紙の片隅に
言葉がひとつ滲んで見えた
二年前あの人に放ってしまった言葉
私にとってはなにげない言葉
あの人の傷に触れてしまった
謝罪の言葉に既読はつかない
贖罪として
あの言葉を私も消さずに残しておこう
こころのくもりのかたすみに




 やっぱり暗くなる。スッキリしない。

 ちょっと明るく出来ないものかと考えたのが次のやつです。




おひさまが


子がお散歩したいと言うので
小さい手を取り家を出た
しかし外に出ると子は動かない
「どうしたの?お散歩行くんでしょ」
そう言っても動かず
つぶらな瞳を空に向けキョロキョロしてる
私も空を見た
普通の曇り空があるだけだ
すると子が
「おひさまがかくれんぼしてるよ」
と言った
私はおもわず、ふふっと声が出た
「じゃあ、おひさまを探しに行こうか」
と私が言うと
「うん」
と言って子は元気に歩き出した
知っている人に会う度
「おひさまをさがしているんだよ」
と言うのでおかしかった




 子供パワーに頼りました。ショートショートみたいになっちゃった。

 曇り空の詩は難しい。詩は難しい。

 

 

 

 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。