香川県のネット・ゲームは1日60分までという条例が?だらけ | 文化の海をのろのろと進む

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 神ゲーや神動画に出会ってしまったら、2~3時間なんて、あっという間に過ぎ去ってしまいますよね。うしずのです。

 年取ってくると、それでなくとも毎日があっという間に過ぎ去っていくんですよ。ああ、怖い。怖い。・・・本題行きます。

 

 

 2020年3月18日、香川県議会において「ネット・ゲーム依存症対策条例議案」が原案可決されました。この条例は18歳未満の子供の、ネットやゲームの使用を1日、平日60分、休日90分に制限するものなんですが、疑問に思った事が多かったため、私なりにちょっと調べてみました。

 

 

 

 

香川県はネット・ゲーム依存がそんなに問題になっているのか?

 こういう条例を作らなければいけない程、香川県ではネット・ゲームの依存症の患者さんが多いのか?という事が、まず気になります。でも、都道府県別の患者数を記したデータを見つけられませんでした。

 でも以前から香川県はネット・ゲーム依存に注目し、それらに相談対応出来る人材の育成に力を入れていたという背景があるようです。LINE NEWSに2019年5月26日に四国新聞が提供した記事があります。→ゲーム障害 WHOが依存症に認定 国挙げ対策加速を 県内関係機関、機運高める

 

 

 

1日60分は雑ではないか?

 ネット・ゲームは1日60分までって、なんか雑じゃないですか?「アルコール依存症を防ぐために、お酒を飲む人は一律、酒量を1日缶ビール1本までに制限します」と言っているのと同じではないでしょうか?で、1日60分という制限時間の根拠は何かなと調べたら・・・次に続きます。

 

 

 

1日60分の根拠が?

 香川県が説明したネット、ゲーム使用制限1日60分の根拠がこちらです。

 ↓

『平日60分、休日90分というゲームなどの使用時間の制限の基準については、令和元年11月に国立病院機構久里浜医療センターから公表された全国調査結果においてゲーム時間が1時間を超えると学業成績の低下が顕著になることや、香川県教育委員会が実施した平成30年度香川県学習状況調査においてスマートフォンなどの使用時間が1時間を超えると、使用時間が長い児童生徒ほど平均正答率が低い傾向にあることを踏まえての基準である』

  ↑

 これ、おかしいですよね。そもそもネット・ゲーム依存を防ぐための条例の筈なのに、ルールを決める上で参考にしたデータが学力低下に関する物なんですよ。予防したいのはゲーム・ネット依存なのか、学力低下なのかが分かりません。

 

 

 

良い取り組みします。県民まかせでって事?

 子供達がネットやゲームを平日1日60分、休日90分閲覧したり、プレイしたりしていないかチェックするのは保護者なんです。という事は運営、管理は各家庭任せとなりますよね。私は、なんか無責任な様に思うんですけどね。

 まあ県がチェックするのは(アプリ等を使うにしろ、人を使うにしろ)予算がかかるし、プライバシーの侵害にもあたるので不可能なんですけど。

 

 保護者の皆さんも忙しいと思いますよ。押し付けないであげてと思います。

 

 

 

罰則の無いルールって、どういう事?

 今回の条例において香川県は特に罰則は設けないそうです。

 ルールとは皆が守っていかなければいけない決まりです。守れなかったらペナルティー(罰則)が与えられます。これは国、自治体、スポーツの競技でもそうです。ルールと罰則はセットの筈です。・・・・・と、思ったら、色々な自治体で、罰則の無い条例って沢山あるらしいのです。でも、それって効果あるの?って感じです。

 

 

 

では、罰則を設けた場合、憲法違反にあたらないのか?

 依存症になって健康面や社会生活に支障をきたす様な状態ならまだしも、あくまで予防の段階なので、個人の行動を制限する事は、『すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。』という日本国憲法 第三章 第十三条に違反する可能性があります。罰則を設けたら、今度は条例にしてはいけない内容になってしまう筈です。


 

 

 はい。こんな感じです。長々とすみません。私は神奈川県民なので、香川県民の皆さんが納得されているのなら、何も言う立場にないのかも知れません。でも何かおかしな条例の様に思えてならなくてこの記事を書きました。

 子供達をネット・ゲーム依存から守る。この目標は何ら悪い所はありません。でも、やり方が間違っている様に私は思います。依存症ってデリケートな問題だと思うんですけど、この条例って、おおざっぱ過ぎるんですよね。それにやり方が古いんです。

  あと、ネットやゲームを悪者扱いしている様な印象を与えてしまったのも失敗だったと思います。

 そもそも条例にする必要あったんですかね。啓発ポスターを作るとか、スクールカウンセラーの方々にネット・ゲーム依存に理解を深めてもらうための研修に参加してもらうとかでも良かったんじゃないかとも思うんです。・・・やるとなると、お金がかかりますし、これらも効果の程は分かりませんけどね。

 

 

 

 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。