シン仮面ライダーを観た。 | USHiROAD

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妻と娘とロックバンドと仮面ライダーとミステリと創作妄想とお絵かきをこよなく愛すおじさんです。基本的に曜日ごとにテーマ決めて更新しています。



シン仮面ライダーを観た。


感想を一言で言えば暗おもんなかった。
と言うのも事前にドキュメント観て期待が
高くなってたからかもしれない。
旧仮面ライダー世代のおじさんがこだわりに
こだわってどんなものを作ってくれるんだ、
なかなかアクションにオッケー出さなかったけど
どんな凄いアクションなんだ!?
蝶のやつのデザインかっこよさげ!
とわくわくしてた。

公開後、いまいちと言うレビューが散見したけど
「まあこだわって作ったなら平成からの
ライダーファンにゃあ刺さらんだろうな」
と、ちょうど間に少年時代を過ごしたために
昭和ライダーのビデオばかり観あさっていた
私の期待を砕くには至らなかった訳です。

まあ、結果は残念でした。

蜘蛛男戦のカットのひとつひとつや、
変身が初期のものだとか、
ラスト漫画版のラストとうまい具合にリンクする
持っていき方とかにはリスペクトを感じました。

しかしながらオマージュと言えば聞こえは良いけど
ただなぞりながら性癖をぶにぶにつけた感じというか。
オリジナルをリスペクトしながら誰も観たことのない
仮面ライダーを作ろうとしたら誰もが観なけりゃ良かったと思うものを作った感じですね。

ストーリーは簡単で、本郷の改造とかは一気に
断片的にフラッシュバックさせて終了。
個人的にここをもっと丁寧にすりゃあとの
クソオムニバス戦ちょっと省いてもっと重いもの
作れたのにって感じでした。オムニバスにするなら
妻夫木聡さん主演の映画『どろろ』みたいに
原作の色々な戦いを音楽にのせて端的にまとめて
戦闘数と時間の経過で本郷と瑠璃子の絆が
深まる的にした方が良いと思った。
まだそっちの方が良かった。

本郷が記憶喪失なのかも曖昧なまま、いきなり
そんな本郷も知ってる博士が出てきて説明を
はじめるので、大学入学したときのクラス懇親会に
ちょっと遅れて、もう出来上がったグループの
話をよくもわからず聞いてた時のことを思い出した。
(知らんがな)

そんかこんなでさっき巻いたハズの蜘蛛男が
速攻きて、
「最初から出しとけよそんなところから手」
を使って殺されて、

「お前は生かす」とか言われたのに本郷爆破されて、
何かその衝撃で変身でけた的な感じでピンピンして
車で逃げた蜘蛛男を余裕で待ち構えてたり。
どの道通ったの?いや先回りするなら追いつけよと
思うけど。そんで「蜘蛛男逃げたか物語が膨らむ
予感」と思ってた蜘蛛男がすぐ殺されて。
(そして死の間際もよく喋る。)
これが導入で、深い話になるんだろなぁと思ったら
物語も怪人のキャラクターも浅くて軽い
オムニバス的な場面が蝙蝠男、蠍女、蜂女と続いて。
てか、さそり女!?まさに豪華キャストの無駄遣い。
とんとん進むのに本郷はうごうごもごもごで
優しいとか落ち着いているとか深いとかではなく。
何も考えずついていってヒロインがピンチなときに
「行け本郷君に決めた」的な存在。
で、どの話もとにかく浜辺美波さんがメイン。
ラストに結びつけるためなんだろうけど
浅チープ。ふたりの人間性に魅了がないから
離別シーンも特に感動も悲哀もない。
てかここで死ぬん?こいつに?みたいな。

ドキュメントでみたリアルな肉弾戦のシーンは
意味わからんトンネル内の真っ暗で複眼だけが
ちらつくほぼCGのニセアクションになってたし。

そんでラスボスかっけーしラスボスつえーのに
めちゃくちゃ強くて本郷もボコボコにされた
一文字を簡単に倒したやつを本郷が頑張りだけで
マスク剥ぎ取るみたいなんで、死闘からの
ぎりぎり勝利ではなく、はい綺麗にまとめましたよ
的なラストで、おんなじ悲しそうな本郷が
あっさりキュキュットでした。

本編観てない人は多分全然わからん文章だと思いますが。

子供が観るには血飛沫でる。
血飛沫出るけどそう言うのが好きな人にしたら
CGだらけで興醒め。
アクションを期待してみたらCGだらけで興醒め。
不要なぶつぎり連続カットのせいで何がすごいか
何してるかわからん。

旧仮面ライダーファンが観たら近未来的な横文字
設定多いし、浜辺美波さんメインで進むから
本郷の男らしさとか、よそんちのカルピスより
薄いのでがっかり。

平成から観てるファンから観てもアクションで
CG使いすぎだしライダーのライダーらしい
魅了もスーツだけで終わった感じ。

よく考えたら庵野監督アニメの監督だもんな。
多分これまでの平成から令和までの仮面ライダーとか
観てないんだろうな。

リアルさやグロさ、程よい化学のレベルで
体の怪人的な暴力性を隠してるで言えば
全然「仮面ライダーアマゾンズ」の方が面白い。

原作をリスペクトしつつも新しいものを作る
そして出演俳優を活かす、で言えば
「仮面ライダーBLACK SUN」の方が
作品としても成り立っていた。

大いなるリスペクトを咀嚼してよりリアルな
ものを作る、そして誰も観たことのない
全く新しい仮面ライダーをドラマ性を重視して
作るなら「仮面ライダークウガ」の圧勝です。

だって2時間しかないんだもんと言われたら
そりゃ映画を選んだんだからそうでしょ。
50話近くかけて主人公をヒロインの魅力を
根付かせて完成していくのが仮面ライダーなんだから。

2時間しかないならオムニバス的にあれこれ
詰め込まずに、蜘蛛とかハチ女に
しぼってやるか、2号出さずにオリジナルの
サソリ男の話をベースにするとかあったろうと思う。

無差別殺人でとか警官だった父がとかも
何か当人たちがしてることのスケールとか
戦闘員殺しまくってたやんとかあって入ってこないし。

浅浅薄薄だった。こんなんだったら未視聴の
シンウルトラマンも観まあかな。